「キャプテンは古賀、お前しかいない!」眞鍋政義監督が古賀紗理那に主将を託したワケ「俺はお前をリオ五輪で落とした。でも…いっしょにやってくれへんか」
リオ五輪で誰を残すか。古賀を推す声も…
たしかに古賀は優れたプレイヤーだ。前年の2015年のワールドカップではすごい活躍を見せてくれた。しかし、肝心のオリンピック予選でのパフォーマンスがよくなかった。 オリンピック予選には、他のどんな大会とも違う独特の緊張感がある。その雰囲気に飲まれたのか、古賀は本来のプレーができなかった。でも、そういう場面で力を発揮できなければ世界とは戦えない。 誰を残すかについては、スタッフともずいぶん議論をした。もちろん古賀を推す声もあった。いろんな意見が出たが、最終的に決断するのは監督の役目だ。悩みに悩んだ末、私はそのときのベストの布陣を選んだ。残念ながら、古賀は落選となった。 選手を外すときはいつも個別に面談して、理由をきちんと説明するようにしている。 古賀にも、オリンピック予選の数字を見せながら、「ワールドカップはよかったけれども、予選での成績が悪かった。これでは選ぶことはできない」と伝えた。古賀はかなりショックを受けている様子だった。私としてもつらかったが仕方ない。それが監督の仕事なのだ。 ただ、この経験をバネに、さらに強い選手に成長してほしいという思いもあった。 これまで代表の中心選手は、多かれ少なかれみんな挫折を経験している。竹下佳江は シドニーオリンピックの予選で敗退したときに戦犯扱いされ、一時バレーを離れたこ とがある。オリンピックに4回出場した荒木絵里香でも、代表から外されていた時期がある。私が見てきた中で、すべてが順調で挫折がなかったのは木村沙織ぐらいだ。しかし、そんな彼女でさえ、ロンドン後には一時、燃え尽き症候群に陥った。 私自身、1996年のアトランタの予選で韓国に負けて、オリンピックに行けなかったという挫折経験がある。あのときの悔しさは、いまだに心の中に残っている。でも、それが日本代表監督を続ける原動力にもなっているのだ。
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