銘木店の残材で作った国法の模型を紹介する坂さん（向日市鶏冠井町・旧上田家住宅）

　銘木店に勤めていた87歳の男性が、東寺五重塔や平等院鳳凰堂など国宝の模型を、文化財修復に用いた木材の端材で作り、京都府向日市鶏冠井町の旧上田家住宅で展示している。数千個の端材を使用した精巧な模型が訪れる人を魅了している。 　京都府長岡京市の坂昇さん（87）。滋賀県近江八幡市内の中学を卒業後、京都市の西大新銘木店に就職し、文化財の修復用木材の調達や納入に携わった。71歳で引退後、孫が通っていた長岡第八小の夏休みの工作展に保護者作品として出品したのをきっかけに、年に一つずつ、模型を仕上げてきた。 　展示した模型は7点。東寺五重塔は高さ約140センチ、幅と奥行きが各約45センチ。撮影した写真を見ながら、木組みの美しさを丁寧に再現した。平等院鳳凰堂は内部の仏像も彫り、南禅寺三門は実際の三門と同じようにケヤキの柱にし、門の扉が開閉できる。材料は退職時に勤め先から譲り受けた残材を使っている。 　坂さんは「作り上げたときの喜びが魅力。見た人が自分も作ろうと思ってくれればうれしい」と話している。 　無料。27日まで。午前9時半～午後4時半。（27日は午後2時まで）。21日は休館。