ナラ枯れの被害木の根元から生えたカエンタケ（和歌山県田辺市龍神村で）

　猛毒キノコのカエンタケが、和歌山県田辺市龍神村の護摩壇山の山頂付近で相次いで見つかった。県立自然博物館は「触れても危険なキノコなので絶対に触らないで」と呼びかけている。 【「ツキヨタケ」淡く光る　食中毒多いキノコ、和歌山県田辺市の護摩壇山の記事はこちら】 　カエンタケは朱やだいだいを帯びた赤色をしている。ブナやコナラなどの広葉樹林に生える。大きなもので１０センチほどになり、土から手の指が出ているように群生する。誤食すると、発熱や嘔吐（おうと）、手足のしびれなどの症状を起こす。その後、消化器不全や脳神経障害などによって死に至ることもある。キノコから出てきた汁に触れると皮膚がただれてしまう。 　自然博物館によると、これまで県内の発生場所は少なかったが、ここ３年ぐらいで増えてきているという。カシノナガキクイムシという昆虫が病原菌を媒介することで発生するナラ枯れの被害木周辺で発生しやすいといわれている。護摩壇山ではナラ枯れの被害状況と合致している。 　護摩壇山森林公園の管理人は今年初めて見たといい「遊歩道沿いにも発生しているので注意してほしい」と話している。