ロゴマークなぜ青い旗? 創業者 英国の大学ボートレースに感銘 校旗にちなみアヲハタに
ジャム類の売り上げで国内トップのアヲハタ(竹原市)。ロゴマークの青い旗は商品ブランドと社名の由来でもあり、創始者の中島董一郎の商品へのこだわりが息づいている。 高品質を求めたアヲハタブランドのジャム 中島は大正初期に滞在した英国で観戦した、オックスフォード、ケンブリッジ両大による伝統のボートレースに感動。懸命に取り組む選手の姿に感銘を受けたのだろう。帰国後、両大の青の校旗にちなみ「アオハタ」を商標登録。並べた際の文字のバランスが良くなるとして、後に「オ」を「ヲ」に変えた。 1932年、ミカン缶詰などの製造を目的に、同社の前身の旗道(きどう)園を設立。最高品質の商品のみを「アヲハタ」ブランドとし、旗のマークを印刷したラベルを貼り販売した。広報室の松浦学室長(49)は「缶詰は中身が見えないからこそ、味づくりに正直で妥協しないとの思いがあった」と説明する。 48年に青旗缶詰として再出発し、ブランドと品質への姿勢は受け継がれた。メイン商品がジャム類になった後も原料調達や加工、保存の技術を磨き、業界をリード。89年、社名をブランドと同じ「アヲハタ」にした。 「今も最高品質を届ける姿勢は変わらない」と松浦室長。現在も果物のおいしさを追求している。
中国新聞社