スニーカーブーム沈静化どこ吹く風 スイス発「オン」、急成長支えるイノベーション
オンは非常に風通しがよくてユニークな組織だ。一番大切なものはチーム。社員皆が成長できる機会を提供しているし、自分の意見を自由に語っていい、それぞれの夢も聞きたい。そのような強いカルチャーがある。アスリートから製品改善のフィードバックを集めるように、社員のアイデアにも耳を傾ける。私も会社も挑戦することや難しいことが大好き。嵐の日の登山は晴れた日よりも難しいが、登頂した時の喜びはひとしお。チームメンバーも一緒に登っていたなら、皆で祝うことができる。
WWD:ナイキ、アディダスなど、欧米の大手スポーツ企業は直近は苦戦が目立つ。
ベルンハルド:それは何度も五輪でメダルを取ってきた選手について、なぜ今活躍していないのかと分析するようなものだ。われわれはまだ小型のスピードボートゆえ、小回りがきくが、大企業は何かあっても方向転換が難しい。ただ、イノベーションがややおざなりになっていた面はあるのでは。ブームが去り、スニーカー市場は飽和したといった報道も見るが、そうは思わない。これまでの売り方が古くなっただけだろう。大手スポーツブランドは競合ではあるものの、ライバルではない。例えばマラソンをする時、自分の周囲を走る選手からは学びがあるし、敬意を払う。大きなブランドに勝てたらうれしいが、歴史のある彼らから学ぶことは多い。
プレミアムスポーツブランドで首位目指す
WWD:さらなる成長への課題は何か。
ベルンハルド:プレミアムスポーツブランドで首位となるためには、クオリティー、パフォーマンス、サステナビリティとあらゆるものが求められる。急ピッチで伸びているため、成長痛はある。最大の課題は人材面。有能でカルチャーをさらに育んでくれる人、結果を出してくれる人を過去も今も探し続けている。イノベーションを続けるなら向こう5年は前年比3~4割増で伸び続けると個人的には思うが、課題は続く。
WWD:スポーツブランドとファッションブランドの協業も引き続き盛んだ。