「テクノロジーズ」に先高観あり 100億円超のビッグディール計上なるか 今1月期85%営業増益達成に期待
【天野秀夫 中小型厳選株】 企業減税や規制緩和を政策に掲げるトランプ元大統領の大統領選勝利を受けてNYダウ、S&P500、ナスダック総合の米主要3指数は最高値更新となっています。一方、日経平均は4万円大台を前にした戻り売り圧力が強く、伸びきれない状況が継続しています。新興・小型成長株の主要指標となる東証グロース250指数に至っては、7月高値から79・5%の下サヤに位置する低迷相場が続いています。今週末で一巡する企業決算シーズンを終えて、年末高ムードが生じてくることが期待されます。 株式分割考慮後の700円ラインを挟んだもみあい相場から8カ月目に入っている東証グロースのテクノロジーズ(5248)に注目です。 同社は、エンタメ映像ソフトウエア開発とAI(人工知能)などのデジタル技術を利用したシステム・アプリケーション開発のIT(情報技術)ソリューション事業、人材派遣会社向け管理システムのSaaS(サービスとしてのソフトウエア)事業、ソーラーエネルギーに係る再エネソリューション事業の3事業セグメントを展開している企業です。 今2025年1月期連結業績予想は売上高141億5400万円(前期比98・5%増)、営業利益15億6100万円(同85・4%増)、経常利益13億7500万円(同2倍増)、当期利益2億4100万円(同2・3倍増)と、特大の利益変化率とともに連続で過去最高益更新予想です。 しかし、第2四半期(2~7月)営業利益は1億9600万円(前年同期実績6600万円の赤字)で、通期予想に対する進捗(しんちょく)率が極めて低い水準にとどまっています。その理由は23年に子会社化した「エコ革」が受注していた104億5400万円規模の福島地区における大型の特別高圧太陽光発電設備という大型EPC(設計・調達・工事を一括請負するエンジニアリング事業)契約が収益に計上され始めるためです。 工事の進捗率は9月末時点で70%となり、来年1月までには約98%程度の工事の進捗が見込まれ、25年3月27日に運転開始予定。第2四半期に一部の25億6500万円売上高が計上されましたが、残りの大部分が収益化の見込みにあることが、今期業績が様変わりとなる背景材料です。このほか、従来の主力事業であるITソリューション事業も、エンタメ映像ソフトウエア開発、AI開発を中心に堅調に推移しています。