社会人「10年目」の友人が「1年目から勤めた会社を辞めたい」と話していました。実際に辞めた場合、退職金はどれだけ発生するのでしょうか?
働き方が多様化している昨今、積極的に転職する方も少なくないでしょう。転職や退職理由は人それぞれですが、退職時の退職金がどれだけ発生するのか気になる方は多いはずです。 ▼早めに転職が決まったら「受給できる手当」を確認しよう! そこで、本記事では勤続年数10年の場合における退職金の相場について解説します。
退職金の相場
退職金の金額は人それぞれであり、基本的には学歴や勤続年数、企業規模などによって異なります。高卒よりも大卒、中小企業よりも大企業、そして勤続年数が長い方が退職金は多くなります。 まず、中央労働委員会が発表しているデータによると、大企業に大卒で入社し定年まで勤務した場合の退職金の平均額は約2100万円で、高卒の場合は約2000万円です。なお、こちらの金額は、調査対象が男性となっています。 対して、東京都労働産業局のデータによると、大卒で中小企業に定年退職まで勤めた場合の退職金の平均額は約1100万円で、高卒では約1000万円です。 つまり、定年退職における退職金は学歴による差があまりないものの、企業規模においては倍ほどの差があることがわかります。 また、中央労働委員会のデータによると、勤続年数10年の退職金の相場は、大企業勤めの大卒の場合、自己都合退職では約180万円、会社都合だと約310万円とされています。ちなみに高卒は、自己都合の場合約130万円、会社都合だと約200万円が相場です。 これに対し東京都労働産業局のデータによると、大卒で中小企業に勤続10年の場合、自己都合では約110万円、会社都合だと150万円、高卒は自己都合が約90万円、会社都合が約120万円となっています。
退職時における慰謝料
会社を退職する場合、必ずしもスムーズに退職できるとは限りません。場合によっては、退職を巡って会社側とトラブルに発展するケースも少なくありません。 退職に関するトラブルはさまざまな事例が考えられますが、代表的なものは退職強要です。退職強要とは、会社が従業員に対して任意での退職、つまり自己都合による退職を強要する行為です。 似たものに退職勧奨がありますが、これは退職するかどうかの最終決断を従業員の自由意思に委ねており、あくまで退職を求める行為なので適法とされています。つまり、自由意思の有無に違いがあります。 ただし、退職強要と退職勧奨に明確な線引きはなく、あくまでニュアンスの問題です。退職勧奨に見えても、頻度や態度が行き過ぎていた場合は退職強要と判断されるケースもあるでしょう。 退職強要は権利侵害に値する行為として、損害賠償の対象になる場合があります。慰謝料の金額は状況次第のため一概にはいえませんが、50万円~100万円ほどが一般的です。なお、過去には実際に退職強要が理由で損害賠償金の支払いを命じられたケースもあります。 退職強要を証明するには、物的証拠が必要不可欠になります。 証拠になり得るものは以下の通りです。 ●録音データ ●会社からの文書 ●メールでのやりとりの記録 ●発言内容や日時などが記録された、日記やメモ ●就業規則や雇用契約書などの書類 証拠になり得ると感じたものは、日時などを明らかにしたうえで保管しておくとよいでしょう。