人気YouTuber、月間売上1000万円突破 倒産寸前から急激に回復した要因とは
2024年7月11日、YouTuberの相馬トランジスタが6月の総売上が1000万円になったことを動画で明かした。昨年12月は、広告費諸々を含めた総売上が196万円。そして今年1月は133万円まで落ち込んでいたという。そこから今年6月の総売上は1000万円と、急激な回復を見せた。なぜここまで相馬のチャンネルは売上(収益)を回復することができたのか。今回は動画をもとに分析していく。 【写真】倒産寸前から月間売上1000万円突破……相馬トランジスタの3階建て“自宅” 大きな要因は2つ。ひとつは相馬が動画のクオリティ担当、相方のカルビが金銭面・案件担当と役割を振り切ったこと。そしてもうひとつは、売上回復までの“耐え期間”を受け入れたチームの絆にあるだろう。 カルビは2021年2月に相馬のチャンネルに加入。以前は会社を経営しており、もともと優秀なビジネスパーソンだった。相馬のチャンネルではたびたび収益(売上)について解説した動画も投稿し、今回の件はまさにカルビの本領発揮というところだろう。 以前までは相馬も売上の管理を行っていたが、昨年9月ごろから動画に関しては相馬、売上面はカルビと、担当変更があったという。この選択についてカルビは、相馬が「これ(減っている売上)を見て不安になっちゃうから」と明かしている。相馬はチャンネルにおいてアイコン的存在でもあり、この決断からはそういった部分は気にしないで活動してほしいというカルビの想いが汲み取れる。また、カルビ自身も「俺は金の耐性はあるから」「ここが張りどきやな」と感じていたことを明かした。 この決断から、相馬はよりおもしろい動画を作ることに専念。カルビは優秀なビジネスパーソンとしての能力を活かして、売上のコントロールに集中することができる。この個人の強みを活かした適材適所な体制が、復活の要因のひとつになったのだろう。 総売上が133万円という結果になった1月。カルビが「倒産です」と振り返るほどチャンネル的には危機的状況で、人件費を払ったらなにも残らない金額だったという。この状況で、相馬のチャンネルはいくつかのブーストをかけることを決断。まずは人気YouTuberのヒカルとコラボを実施。これにより総売上が徐々に回復。それに加えて新居への引っ越しをした。収入が少ないなかでの引っ越しは「大博打でしょ」とカルビは振り返った。だが新居に関する動画は4月に再生され、見事ブーストの役割を果たした。 新居は動画への貢献だけではなく、チームの経費削減にも活躍した。総売上133万円だった1月から3か月ものあいだ、全員給料を9万円にしたという。その分食費や家賃は経費に換算し、食事をメンバーとともにすることで節約をしていたと明かした。この強行突破が成功したのは、チームがこの条件を受け入れたというところにある。 コメントからも「給料9万でも離れないでいてくれたの本当に感動」「給料90000円でやってくれたスタッフのみんなすごいよ」といった声が上がった。また、これもカルビが「3か月(2月から4月)が張りどき」と、明確に耐える期間を設定していたからこそ、メンバーは受け入れることができたのではないだろうか。先が見えない状態ではなく、ここを踏ん張れば回復につながるという期間限定の我慢だったからこその成功だろう。 そして5月は総売上が471万円、6月は1000万円という結果を出した。再生数の高い動画を見ても、「波に乗って自社の強みも出している」企画がヒットしているとカルビは振り返った。相馬も、5月の動画では「面白い動画をあげる」「期待は裏切りたくない」と宣言している。そして今回の結果を見て、「おもしろい動画を作るためにもお金は必要」と語った。 チーム内でおもしろい動画を作り、しっかりと売上も確保するというサイクルが出来上がりつつある相馬のチャンネル。YouTuberとしては理想的なチームになりつつあるのではないだろうか。今後この勢いでどのような方向に舵をとっていくのか。動画を楽しみにしたい。
はるまきもえ