''強度アップの意識''継続の神戸弘陵 AIE国際を相手を圧倒し決勝へ
令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)兵庫予選は7日、アスパ五色メイングラウンドで準決勝を実施。神戸弘陵とAIE国際による第2試合はDF2阪上聖恩(3年)の先制点を皮切りに得点を重ねた神戸弘陵が3-0で快勝した。9日の決勝では三田学園と対戦する。 【フォトギャラリー】神戸弘陵 vs AIE 昨年、確かな手応えを掴んでインターハイに挑んだ神戸弘陵だが、初戦で青森山田に1-3で敗戦。「やれた部分もあったのですが、勝負強さ、守備の意識がワンランク、ツーランク相手の方が上だった。うちはボールを持ってオフェンスというところがあるけど、それは二の次、三の次で全国に行って青森山田のレベルに勝つために守備の意識だけでなく、筋トレ、食トレをみんながしっかり頑張ってくれている」。谷純一監督の言葉通り、敗戦以降取り組んできた強度アップの意識は今年も継続しており、この日の試合でも相手を圧倒する要因となった。 序盤から試合のペースは神戸弘陵だった。自陣から中盤まではテンポよくボールを動かして前進し、アタッキングサードではFW10石橋瀬凪(3年)とFW15大垣颯楽(3年)の両ウイングが積極的に仕掛けると、前半11分には右から上がった低いクロスを石橋がダイレクトで合したが、枠を捉えることができない。 「前半は風下だったのでどうかなと思っていた」と谷監督は振り返るが、16分にはサイドチェンジから左を仕掛けた石橋がCKを獲得。キッカーを務める阪上はゴール前にゴロで速いパスを展開する。MF8下醉尾朔也(3年) の落としには反応したのは阪上。「クロスの予定だったのですが、パスがズレたので打てると思って打ちました。相手が来ていたので、かわしてからだとシュートコースがなくなると思って振りぬきました」。そう振り返る一撃がゴールの右隅に決まり、幸先の良いスタートを切った。 直後の18分には右サイドから好機を演出。MF6梅原良弥(2年)からのボールを受けた大垣が素早くゴール前にパスを受けると走りこんだ石橋が冷静にゴールネットを揺らし、リードを2点差に広げた。 攻撃に目が行く試合展開となったが、守備も集中力を切らさない。テクニックと速さを備えたMF10河本大雅(3年)に自陣で仕掛けられる場面が見られたものの、神戸弘陵は冷静に対応。「相手の10番(河本大雅)は右に持ってくるケースが多かったので、ボランチの選手に内側を切らせて、縦はCBで抑えようと話していた」。そう振り返るDF4藤本達真(3年)も的確な読みを生かしたカバーリングを披露し、AIE国際のシュートを1本に抑えた。 後半も試合の主導権は譲らない。相手コートで神戸弘陵がゲームを進めつつも、ボールを失ったら素早く守備に切り替え即時奪還を徹底。「チームとしてもハーフタイムにもっと切り替え上げないと、このままなら1失点すると思ったので意識していた。全体的に意識を上げていたので、前半よりも切り替えの速さが上がっていた」(藤本)。 16分には右サイドでのパス交換から阪上がゴール前に低いクロス。先に反応したFW9白石蒼悟(2年)とは合わなかったが、下醉尾が落ち着いて合わせて3点目となった。以降は交代枠をフル活用しながらも守備強度を落とさず逃げ切りに成功。谷監督は「(相手とは)リーグが7カテゴリー違うので、戦術も技術も1試合通じて凌駕できたかなと思う」と口にした。 残すのは決勝のみ。2月に行なった県の新人戦3位決定戦では3-0で勝利した三田学園が相手だが、気の緩みはない。藤本は「今年も全国大会に出て、目標しているのは青森山田を倒すこと。県内では絶対に負けることができない」と意気込んだ。 (文・写真=森田将義)