ウォラーFRB理事、利下げ遅らせるか回数減が適切-最近の統計受け
「インフレ率が2%に向けた持続的な軌道にあるよう保つためには、恐らく以前の想定よりも一段と長期にわたり、現在の景気抑制的なスタンスに金利を維持するのが賢明」であることが最近の経済データでうかがわれると理事は話した。
米金融当局者は今月19、20両日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合後に公表した最新の四半期経済予測で、2024年の利下げ回数を中央値で3回とする見通しを示した。ただ、計19人中9人は2回以下の利下げを予想するなど見方が分かれており、今年の投票権メンバーの1人であるアトランタ連銀のボスティック総裁は、年内利下げが1回にとどまるとの考えを示している。
米アトランタ連銀総裁、利下げ年内1回にとどまるとの見方を再表明
底堅い米経済
米金融当局者にとって、米経済は依然として予想外の底堅さを示しており、当局者は最新の予測で今年の実質GDP(国内総生産)伸び率見通しを2.1%と、昨年12月の前回予想(1.4%)から大幅上方修正した。雇用情勢も引き続き堅調で、主要な物価統計はこの数カ月間、エコノミストの予想を上回っている。
ウォラー理事はインフレ抑制の取り組みを巡り、「一層の進展によって、FOMCとして年内にフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジ引き下げを開始するのが適切になるだろうと引き続き確信している」と発言。「しかし、そうした進展が現実となるまで、このような措置を講じる用意は私にはない」と論じた。
さらに、「幸運なことに、米経済の力強さと労働市場の底堅さのおかげで、金融緩和までもう少し待つことのリスクは小さく、性急に行動することに比べて大幅に低い」とも語った。
講演に続く討論会では、米金融当局が追加利上げを行う可能性はほとんどないとの認識も示した。「中央銀行にあって絶対にないとは決して言えないが、それについて検討するには、インフレ動向で何か劇的な変化がなければならず、そのようなことは見当たらない」とコメントした。