【阪神】電鉄会長の秦雅夫氏のオーナー就任発表 退任する杉山氏が明かす交代3つの理由
阪神は13日、阪神電鉄会長兼球団会長の秦(しん)雅夫氏が来年1月1日付でオーナーに就任すると発表した。22年12月21日から杉山健博氏がオーナー職を務めていた。 大阪市内の電鉄本社でオーナー交代会見が行われ、秦氏は「タイガースは来年創設90周年を迎える歴史と伝統があり、また多くのファンの皆様からご支持をいただいている球団。そのオーナーということで身に余る大役、とても身の引き締まる思いがしています。チームとフロントが一丸となって、より強い、より魅力的なチームとなるよう全力で努めて参ります」と所信表明した。 退任する杉山オーナーは「この(務めた)2年の間にタイガースはこれまでの編成と育成に加えて、勝つこと、これを身につけて、さらには日本シリーズ等の大舞台や優勝争いの経験などを通じて、有形無形の力がチームに備わる今のタイガースは毎年のように優勝できるチームに成長したと強く実感いたしております」と回顧。交代に至った理由、背景については「3つある」と切り出し、「まず1つは、藤原前オーナーから新会長としっかり協力して、何がなんでもできるだけ早くリーグ優勝をつかみ取ってほしいという願いから、そのミッションを受けて私は就任いたしました。まずは、リーグ優勝などをしていますので、そのミッションを果たすことができた。2点目はこの2年の間に本当に着実に力をつけまして、特に先ほど言いましたけど、勝つことということをよくチームの中に浸透させました。そういう意味では今のタイガースは毎年のように優勝できるチームに成長したというふうに思っておりまして、これをすごく実感できたというのが1点。3点目は、チームの来シーズンは藤川新監督の元、新しい体制でスタートする。この観点から、オーナーの交代はこの時期が最善であろうと考えました」と説明した。 杉山氏は22年オフに阪急電鉄出身者で初のオーナーに就任。本来は会長職がオーナーを務めるのが慣例だったなか、“阪神色”を維持するために秦球団会長が代表権を持つ異例の2トップ体制を敷いていたが、今回の人事で解消された。 ◆秦雅夫(しん・まさお)1957年5月22日、大分県生まれ。67歳。京大法学部を卒業後、81年4月に阪神電鉄に入社。06年6月から取締役となり、同年10月には阪急阪神HDの取締役にも就任。17年4月に社長就任。22年12月に球団会長となり、23年4月に現職。
報知新聞社