鹿児島県、特定利用空港・港湾受け入れ表明 奄美は徳之島空港と名瀬、和泊両港
政府が進める総合的な防衛体制強化の一環で、平時から自衛隊や海上保安庁の航空機・艦船が使用できる「特定利用空港・港湾」について鹿児島県は23日、候補に挙がっていた県管理の徳之島空港(徳之島)と名瀬(奄美大島)、和泊(沖永良部島)を含む6港湾の指定を受け入れる方針を明らかにした。県は「必要な整備が着実に行われ、災害時における迅速な対応も期待できる」としている。 特定利用空港・港湾の指定は、南西有事などを念頭に対応能力の向上を目指すのが狙い。必要に応じて滑走路の延伸や岸壁の拡張などを進める。政府は空港・港湾管理者の地方自治体などと円滑利用に関する枠組みに関して協議を進め、今年4月には第1弾として7道県の計16施設を選定。今月21日には新たに、熊本、福井両県の計4施設を追加する方針が明らかになった。 鹿児島県の意向は、23日にあった定例記者会見で塩田康一知事が表明した。奄美の3施設以外では鹿児島港、川内港、志布志港、西之表港ほか、国管理の鹿児島空港がある。県内8施設すべてが指定された場合、全国都道府県で最多となる。 指定を受け入れる理由について塩田知事は、▽あくまでも民生利用を主とするもので、管理者の権限は変わらない▽災害対応時に迅速に対応でき、能力を最大限に発揮できることが期待できる―などを挙げた。 塩田知事は「国に対しては、地域で不安や懸念が生じることがないよう引き続き県や地元の市町への丁寧な説明や、自衛隊、海上保安庁による訓練などの際には安全確保に万全を期することなどを要請していく」と述べた。また、特定利用空港・港湾になることで、有事の際に攻撃目標とみなされる可能性について問われた塩田知事は「(現在の状況と)大きく変わるということではない」との見方を示した。