巨匠が残した含蓄に富む名台詞を振り返る!! 小さな高級車論ほか 【復刻・徳大寺有恒「俺と疾れ!!」】
■プレミアムコンパクト
(読者からの「国産車はなぜ、このプレミアムコンパクトというジャンルのクルマ作りが下手なのでしょうか?」という質問に答えて) 日本にプレミアムカーがないからでしょう。強いて挙げればクラウンでしょうか、スカイラインも入るかもしれませんね。このプレミアムカーがないから、プレミアムコンパクトカーが生まれてこないんでしょう。 日本社会でプレミアムカーを企画するのは無理でしょう。今やアメリカでもなくなりました。パッカードがなく、GMのキャデラックでしょうか。今や世界にはダイムラー・ベンツのメルセデスでしょう。 日本ではブランドよりそのブランドがどんな歴史を持っているか、そして将来はどうかということをはっきりさせているメーカーがないでしょう。 かつてトヨタが小さな高級車としてプログレを作ったことがありましたが、あまり売れませんでした。日本は小さなクルマの価値を認めないので、どんどん大きくなっていくのですね。しかし、高級な小型車が欲しいですね。
■免許はATか、MTか?
(就職に備え免許取ろうと考えている女子大生の方からの、「MT免許にすべきか、AT限定にすべきか」という相談に答えて) AT限定免許もいいですが、できればMT免許にしてください。ただし、MTが乗れなくて不便なのはヨーロッパの田舎に行った時にレンタカーを乗らなければならない時くらいでしょう。 時々小さな町のレンタカー屋にはMTしかないことがあります。古い面白いクルマがあり、マニアックな体験ができるかもしれません。 もしも、それよりもとにかく早くクルマに乗りたいということであれば、AT限定免許を先に取り、後から改めて気になるクルマが生まれたら、MT免許を取ってもいいかもしれません。 いずれにしても就職のために取った免許がきっかけで、クルマや運転が楽しいと思うようになってほしいと思います。
■老母とのドライブ
(介護施設に入った母を、桜の季節にドライブに連れ出したい、という読者の方のお話に) 私の考えではお母さんはあなたと会っていたいのでしょう。どこへも行かなくても一日中ゆっくりと花でも見ながらお話をしてはいかがでしょう。今年は花が咲くのが早かったぶん、暖かくなりました。きっとお母様にとって楽しい時間になるでしょう。 親孝行は今しかできません。例えばデパートの地下に行けば、お二人の好みのものがきっとあります。それを二人ぶん買って、どこでもいい、二人で食べたらどうですか?きっとどこへも行かずともお母様は喜ばれるでしょう。 どうぞ、二人の幸せが長く続くことを祈っています。