藤枝MYFC J2参入2年目で付いた戦える“基礎体力”…13位で終えたシーズン総括
藤枝MYFCはJ2参入2年目の今季、14勝4分け20敗、勝ち点46の13位で終えた。春先は降格圏に沈むなど出遅れたが、徐々に盛り返して終盤はJ1昇格プレーオフ(PO)進出も視界の隅に捉えた。昨季1試合しかなかった逆転勝ちを4度マークした一方、総失点57はリーグワースト5位タイ。収穫と課題のあった1年を総括する。 **** 1月8日の始動日に須藤大輔監督(47)が「周囲から何と言われようが、J1昇格しか考えていない」と宣言した1年は、完全燃焼とはいかなかった。9月は3連勝を記録して10位につけ、PO進出も夢物語ではない状況だったが、終盤は7戦勝ちなしと失速してシーズンは幕を閉じた。 課題が残ったのは耐える力だ。1試合平均失点は昨季の1・71から1・50に改善したものの、上位6チームの平均は1・07点で大きな差がある。複数失点は16試合で記録。須藤監督は「悪い時に歯止めが利かない」と反省を口にする。ハイライン、ハイプレスから前掛かりに攻める理想を追求することも重要だが、DF川島が「押し込まれた時も耐えて0で帰る。上に行くチームはそれができる」と話すように、上位進出には我慢する力も必須だ。 一方、前進した部分もある。昨季1度だった逆転勝ちは4度あった。最終的に敗れたものの、9月の清水戦は3発被弾しながら1点差まで詰め寄る姿勢を見せた。「これを継続していけるようにならないといけない」と指揮官。また、新潟から期限付き移籍2年目となったFW矢村は自身初の2ケタでリーグ4位の16得点をマークした。「身体のケアだったり、食事だったり自分と向き合ってきた結果」とエースの役目を果たした。 クラブは集客にも力を注ぎ、1試合の平均入場者数は昨季の3145人から4274人にアップ。この2年間でJ2を戦える“基礎体力”は着実に付いているだけに、来季は勝負の年になる。チーム編成は今後本格化するが、主力には矢村を筆頭にFW千葉やMFシマブクらレンタル組も多く、去就は流動的。続投が決まった須藤監督が「静かでおとなしい選手が多い」と指摘するように、雰囲気を変えられるムードメーカーも補強ポイントに挙がりそうだ。 (武藤 瑞基)
報知新聞社