中国株の乱高下、21兆ドルの資金持つ個人投資家の逃避促す
アマチュア投資家によるリアリティーチェックは、習近平国家主席が掲げるビジョンが直面する厳しい課題を示している。中国の指導部はいわゆる「新しい生産力」を強調し、経済を後押しするためにテクノロジー投資に頼っているが、アナリストは低迷する個人需要の回復と膨大な貯蓄のより有効な活用の必要性を指摘している。
中国の株式市場は政府の経済再生計画への国民の信頼を反映しているため、個人投資家の不安定な心理は信頼のもろさを示すものだ。
外国人投資家はかねてから、中国の家計がより多くの資産を株式市場に移行させる可能性に期待してきた。最新の中銀調査によると、株式は2019年の中国の家計資産のわずか2%を占めるにすぎなかった。
シンガポールのストレーツ・インベストメント・マネジメントのマニッシュ・バルガバ最高経営責任者(CEO)は「中国は世界でも有数の貯蓄率を誇る国であり、これらの資金のほんの一部でも株式に振り向けられれば、相当な流動性と購買力がもたらされ、株価と市場心理の押し上げにつながるだろう」と述べた。
10月初旬には、ようやく中国国民の貯蓄が株式市場に大規模に投入され始めたかに見えたが、投入が始まってすぐに、熱狂的な買いは反転した。10月9日には利益確定売りが広がり、次の大型景気刺激策がいつ発表されるのかという疑問が噴出する中、CSI300指数は7%下落して20年初頭以降で最悪のパフォーマンスとなった。
「小口投資家の大量参加は、素早い値動きや異常な値動きを招きかねず、緩やかな強気相場を望む市場当局にとって理想的ではない」と、エドモン・ド・ロスチャイルド・アセット・マネジメントのファンドマネージャー、シャドン・バオ氏は述べた。同氏は今回の出来事を「市場の成長痛」と表現している。
原題:China’s Wild Stock Market Swings Hurt a $21 Trillion Bull Case(抜粋)
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