＜日本・台湾＞引き揚げる森下（撮影・島崎　忠彦）

　◇WBSCプレミア12決勝　日本0―4台湾（2024年11月24日　東京D） 　侍ジャパンは24日、「ラグザス　presents　第3回　WBSCプレミア12」の決勝で台湾に0―4で敗れ、大会2連覇を逃した。8戦全勝で迎えた大一番だったが、先発の戸郷翔征投手（24）が5回に2本塁打を浴びて4失点。全9試合で4番としてスタメン出場した森下翔太外野手（24）は4打数無安打、チームも4安打に抑えられ、日本代表の国際大会の連勝は27で止まった。 　大会連覇の夢は目の前で途絶えた。0―4の9回1死一塁。一塁走者の森下は、5番・栗原の一直に飛び出して併殺。ヘッドスライディングの帰塁もむなしく、一塁ベンチへ引き揚げた。 　「世界一をずっと目指してやってきた。最後の最後で悔しい結果になってしまった」 　表彰式では首にかかった銀メダルを眺めながら、歓喜に沸く台湾ナインを見つめた。2試合連続で同じ相手。第1打席は遊ゴロに終わり第2、3打席に中堅への大飛球を放ったが、どちらもあとひと伸びが足りず。最後は二ゴロに料理され4打数無安打に終わった。それでも1次ラウンドからチーム唯一の全9試合スタメン出場を果たし、戦い抜いた。 　主要国際大会では初の侍ジャパン選出。「駆け出しの4番」と自認していた。レギュラーシーズンで股関節や太腿裏の筋肉の疲労は出たことはあっても、大会中はプロに入ってから出たことのなかった膝の関節に違和感が出るほど疲弊。井端監督から「休むか？」と何度も言われた。それでも首を横に振り続けた。「日本代表の4番はシーズンと違って日本に一人しかいない。そこで学べることは多い。今後、自分の野球人生が変わる大会になるかもしれない」。自分なりに「日本代表の4番で得られるもの」を探していた。 　「自覚というか、4番が打たないと、なかなかチームが回らない、勝てない状況というのも続く。次またいい打順を任せられてもらうのであれば、絶対、結果を残したい」 　今大会9試合中、3度「プレーヤー・オブ・ザ・ゲーム」に選出され打率・357、1本塁打、9打点をマークした。それでも満足はしていない。「次は井端監督に金メダルをかけられたら。技術アップをしたい」。次なる目標は26年3月の第6回WBC。来季、さらなる飛躍を遂げ、必ず世界の舞台へ戻る。　（石崎　祥平）