「知らない」「避難情報と勘違い」そもそも『北海道・三陸沖後発地震注意情報』とは何なのか 運用開始から2年その課題
石巻市危機対策課 内海明彦防災専門官: 「『知っていますか!?』ということを強調した」 1日目は、マグニチュード7.4の地震が起き、後発地震注意報が出されたとの想定で市役所内で態勢などを確認しました。市では、注意情報を津波に対する避難情報と勘違いし避難を急ぐ市民がある程度いると想定しています。 石巻市危機対策課 内海明彦防災専門官: 「(勘違いして)車で逃げましょうってなると、道が渋滞してという状態が起きてくるので、当然そういった対策自体もこちらとして考えなければいけない。そういった一つ一つの起こり得るだろうということを、こちらも想定しながら事前に対策をとれることはないかとか、そういった手順を確認した」 また、2日目には、注意情報が出た後に、実際に巨大地震が起きたという想定で避難訓練を住民と一緒に行いました。 ■なぜ必要なのか「後発地震注意情報」 注意情報の運用が始まってから2年、自治体や市民も手探りの状態ですが、仙台管区気象台はこの注意情報の必要性を説きます。 仙台管区気象台 加藤孝志台長: 「なぜこの情報が必要なのか、情報が発表された時にどういう行動をとったらいいのかということを、より一層浸透できるように、この周知を進めていかないといけないと考えています。通常ではない、ただごとの災害ではないということは起こりえると思うので、宮城でも」 今年8月に発表された「南海トラフ臨時情報(巨大地震注意)」は記憶に新しいと思います。地震への備えを再確認するよう求められましたが、事前避難の必要はありませんでした。今回取り上げた「北海道・三陸沖後発地震注意情報」も、取るべき対応は一緒です。備えの再確認は求められますが、事前避難の必要はありません。 ■もし「後発地震注意情報」が出たらどうすればよいのか? この注意情報が出たからといって必ずしも巨大地震が発生する訳ではありません。ただ、可能性は高まりますので、防災グッズや避難経路を改めて確認するなど備えが大切になります。
・枕元に靴を置くなどすぐに避難できる態勢で就寝する ・携帯電話やラジオなど緊急情報を確保できる態勢を整えておく ・非常用持出品や貴重品は常に持ち歩く ・家具の固定、避難場所の確認など日頃からの備えを再確認する 日常生活に大きな支障をきたさない範囲で備えをすることが求められます。さらに、東北大学災害科学国際研究所の今村文彦教授は、夏は熱中症対策、冬は暖房など季節によって準備する物を工夫してほしいと話しています。 地震はいつ起こるか分かりません。万が一に備え、できることから対策を進めておきましょう。
東北放送
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