「やらなアカン!」高齢化進む村、選挙に立候補した移住者の女性 全国に広がる選挙のない街
議会への関心を…あの手この手の地方議会
こうした状況の中、議会議員のなり手を増やそうと試行錯誤し、そのユニークな方法で全国から注目を集めるのが北海道の鷹栖町議会だ。住民に議会への傍聴を呼びかけるため、寄席風の国民的バラエティ番組などをイメージさせるチラシを作るなど、あの手この手で議会へ関心を持ってもらおうという強い意志が伝わってくる。きっかけは、3期続いた議会議員選挙の“無投票”だった。「住民に町政に参加してもらおう」と2019年から始まったこの取り組みは、そのユニークさとインパクトの強さから全国のメディアでも取り上げられた。議会を傍聴する住民も確実に増え、2023年の議会議員選挙は定数12に対して14人が立候補、16年ぶりの選挙戦になった。
落選…それでも「1村民として村にできることを…」
福塚さんは、移住先の川内村で初めて選挙活動を経験した。右も左もわからなかったが、選挙期間の5日間は毎日朝と昼と夕の3回、行きかう人や車に懸命に手を振り続けた。 「知っている人がすごく多くて、手を振り返してくれた。移住してきてからたくさんの村の人と関わって生きてきたんだなって、しみじみ感じました」と振り返る。 迎えた開票の日。福塚さんの得票数は337票、対するもう一人の候補者の得票数は704票。福塚さんは落選した。開票後に更新したSNSには、支援者への感謝の言葉と共に、こう記されていた。 「後悔はなく、ほんの少しでも、川内村の未来への風を吹かせられたかなぁと思います。若い世代に村議会への関心を、そして次々に続いてくれたらいいなと思います。今日からまた気持ち新たに花屋のお仕事と周りにいてくれる大切な人たちのために頑張っていきます。そして、1村民として川内村のために私ができることを取り組んでいきながら進んでいきます!」。 「やらなアカン!」と奮起した福塚さんの挑戦は惜しくも届かなかったが、村の未来に希望の花を咲かす一歩になるかもしれない。 ただこうしている今も、日本各地では“選挙のない街”が増え続けている。 ※この記事は、福島中央テレビとYahoo!ニュースとの共同連携企画です。
福島中央テレビ