Duolingoなども利用するAIエージェント「Decagon」が累計150億円を調達
ジェシー・チャンは、2度目の起業にあたり、企業が真にその価値を実感できる迅速に利用できるソフトウェアを作りたいと考えていた。2023年8月、彼は起業家イベントで出会ったアシュウィン・スリニバスとチームを組み、数十のスタートアップに調査を行った結果、人工知能(AI)を活用したカスタマーサービスのシステムを思いついた。そして、Decagon(デカゴン)を共同創業した。 それから1年以上が経った今、サンフランシスコを拠点とする同社はNotion(ノーション)やDuolingo(デュオリンゴ)、Rippling(リップリング)、Bilt(ビルト)、Substack(サブスタック)といった企業に顧客サービスの仕組みを提供している。デカゴンのシステムは、アプリの操作方法に関する質問に答えたり、払い戻し処理やサブスクリプションのキャンセル、クレジットカードの再発行などを行っている。 デカゴンの企業顧客のほとんどは、セールスフォースなどの競合他社のツールと同社のソフトウェアを比較検討した結果、デカゴンを選んでいるという。このような評価テストは、企業がさまざまなAIモデルを試す中で、ますます一般的になっている。たとえば、フォーチュン誌の記事によると、Intercom(インターコム)はそのような評価テストを経て顧客サービスプラットフォームをOpenAIのGPTモデルから、Anthropic(アンソロピック)のClaude(クロード)に切り替えたという。 デカゴンは先日、ベインキャピタル・ベンチャーズが主導し、テック投資家のエラッド・ギルや著名なVCのアクセル、ボンド・キャピタルらが参加したシリーズBラウンドで6500万ドル(約97億円)を調達したと発表した。これにより、同社の累計調達額は1億ドル(約150億円)となり、評価額は6億5000万ドル(約971億円)に達した。 デカゴンは、この資金を活用してチームを拡大し、新たな顧客にアプローチし、音声機能を製品に追加する予定だ。 同社の新たな資金調達は、特定のタスクを自動的に完了する「AIエージェント」が注目を集める中で行われた。OpenAIのCEOであるサム・アルトマンは、来年には人々がAIエージェントを日常的に使用することになると述べている。 「AIの推論の能力が向上したことで、人間がやりたがらない反復作業をこなすAIエージェントが普及しつつある」とベインキャピタル・ベンチャーズのアーレフ・ヒラリーはフォーブスに語った。