クルマ好き必見、スウェーデン観光スポット「ワールド・オブ・ボルボ」 北欧随一の自動車博物館
ボルボP1800 S(1961年~1972年)
ボルボの名を国際的に広めるために開発されたスポーツカーP1800 Sは、後に芝刈り機やゴルフクラブのデザインを手がけた学生ペレ・ペターソン氏がデザインを担当した。展示車両は1966年に米国人教師アーヴ・ゴードン氏が購入したもので、300万マイル(480万km)以上を走行して2013年に世界記録を樹立した。
ボルボ・エクスペリメンタル・セーフティカー(1972年)
1972年のジュネーブ・モーターショーで発表されたボルボ・エクスペリメンタル・セーフティカー(VESC、実験用安全車)は、エアバッグ、バックカメラ、ABS、衝撃吸収バンパーなど、後に一般的となる安全装備のテストラボであった。視認性を重視したカラーリングを採用し、ボンネットには距離感を掴みやすくするためのライン・ストライプもある。
ボルボ・エレクトリック・プロトタイプ(1976年)
これはEX30の遠い祖先と考えていいだろう。実はこれ、スウェーデンの電話会社Televerketが一部資金を提供したプロジェクトで、排出ガスを出さない郵便配達バンの開発に向けて作られたものだった(4人乗りの乗用車バージョンも開発)。全長はわずか2680mmだが、重量300kgのバッテリーを搭載し、最高出力はわずか13ps。バッテリーの充電に10時間かかり、航続距離は約50kmだった。
ボルボ850(1991~1996年)
ある年代の英国ツーリングカー選手権のファンなら、850 T-5Rを見れば膝を打つことだろう。850は横置き5気筒エンジンで前輪駆動という斬新なコンセプトを採用したモデルだ。開発には記録的な額の費用が投じられたという。
ボルボ・エンバイロメンタル・コンセプトカー(1992年)
新世代のS80を予告するとともに、いくつかの新技術を披露したボルボ・エンバイロメンタル・コンセプトカー(ECC)。アルミニウム製シャシーや、コルクなどリサイクル素材を使用したインテリア、電気モーターとガスタービン発電機を組み合わせたパワートレインなど先進的な設計である。
ボルボ760 GLE(1982~1990年)
1970年代の石油危機で大きな打撃を受けたボルボは、サーブとの合併やノルウェー政府への株式売却さえも検討した。しかし、ボルボは「1155(真夜中まであと5分の意)」というコードネームで新型車の開発に集中。その結果、240よりも軽量で燃費がよい760が誕生した。ボクシーなスタイリングもウケが良く、大ヒットとなった。
ジェームス・アトウッド(執筆) 林汰久也(翻訳)