アーティスト活動10周年を迎えた大橋彩香や、夢のアニサマ出演を叶えたでんぱ組.incなど盛りだくさんの「Animelo Summer Live 2024 -Stargazer-」DAY1
2005年より毎年、さいたまスーパーアリーナで開催されているアニソンライブイベント「アニメロサマーライブ」、通称アニサマ。19回目となる今年は「Animelo Summer Live 2024 -Stargazer-」と銘打ち、8月30、31日、9月1日の三日間にわたって、アニメを愛する豪華アーティストたちがレーベルの垣根を超え、50組以上集結した。今回はDAY 1の模様をレポートする。 【写真を見る】ステージで歌声を披露する楠木ともり オープニングを飾ったのは、アニサマ初出演となるアニメ大好きアイドル・Kis-My-Ft2の宮田俊哉をはじめ、オーイシマサヨシ、伊東健人、UniteUp!の面々。宮田の「行くぜ!アニサマ!」という掛け声と共に、光GENJIによるTVアニメ「忍たま乱太郎」OPテーマ「勇気100%」を振り付きで披露。宮田がローラースケートに乗って花道を駆け抜けると、客席からは歓声が沸き上がった。 前半戦は、多次元展開プロジェクトユニットが多数登場。トップバッターの男性グループUniteUp!は、TVアニメ「UniteUp!」の同名主題歌を華やかにパフォーマンス。「ユメノトビラ」ではトロッコに分乗し、客席にキラキラの笑顔を振りまいた。TVアニメ「ガールズバンドクライ」内で熱いパフォーマンスを披露したガールズバンド「トゲナシトゲアリ」も、同作第7話の挿入歌「名もなき何もかも」とOP主題歌「雑踏、僕らの街」をアニメ映像を背にしながら演奏。TVアニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」から生まれたバンド「Ave Mujica」は、第13話中盤から描かれた彼女たちのステージを再現するパフォーマンスで会場を独自の世界観に染め上げた。アーティストとしても圧倒的な実力を持つ声優陣も、この日は多数登場。伊東健人は、TVアニメ「月が導く異世界道中 第二幕」の第1クールEDテーマ「My Factor」を軽やかに歌い上げる。そして、センターステージのせり上がりから赤い玉座に座って登場の楠木ともりは、美しい足を披露しながら「眠れない」や「シンゲツ」といった自身も出演するTVアニメのEDテーマを儚さと力強さを同居させたヴォーカルで聴かせた。 また、圧倒的な歌唱力で知られる声優・Machicoはこの日、「この素晴らしい世界に祝福を!」シリーズを軸とした楽曲でパフォーマンスを構成。元気いっぱいのダンスとのびやかな歌声で自身が歌った「このすば」歴代オープニングをメドレーで披露。最後は「この素晴らしいアニサマに祝福を!」というキュートなメッセージを残してステージを後にした。 実力派アーティストでは、タイ出身のMindaRynが「転生したらスライムだった件」を彩った楽曲で会場を魅了。そして、アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズのキーアイテム、ドミネーターと共に現れたWho-ya Extendedのフロントマン・Who-yaは、「さいたまスーパーアリーナ、Animelo Summer Live会場内に犯罪係数オーバー300の対象を複数感知。執行対象です」という音声に従い、客席に向かってが引き金を引くというスタイリッシュな演出から「PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR」OPテーマ「Synthetic Sympathy」などをパフォーマンスした。そして、2025年初頭にエンディングを迎え、16年にわたる歴史に幕を閉じることが決定しているアイドルグループ・でんぱ組.incが、ずっと夢だったという最初で最後のアニサマのステージに登場。卒業生のソロアーティスト・成瀬瑛美も特別参加して、下積み時代を支え合った盟友・黒崎真音が残したTVアニメ「とある魔術の禁書目録Ⅱ」後期EDテーマ「メモリーズ・ラスト」を万感の想いを込めて歌い上げると、会場からも熱い掛け声が沸き上がった。 ベテラン勢もその実力で、会場を埋めつくす若者たちを圧倒。来年デビュー30周年を迎えるFIELD OF VIEWは衰え知らずのヴォーカルと安定感のあるバンドサウンドで客席を魅了。TVアニメ「遊☆戯☆王」OPテーマ「渇いた叫び」やTVアニメ「ドラゴンボールGT」OPテーマ「DAN DAN 心魅かれてく」といった懐かしの名曲で会場の心をひとつにする。世界的人気を誇るアニソンシンガー・きただにひろしは、主人公・ルフィの声に背中を押されながら、「ウィーゴー!」といった、自身が歌い続けてきたTVアニメ「ONE PIECE」の主題歌を熱唱。前半戦のラストを飾る「ウィーアー!」では、出演アーティストたちがステージに集まっての豪華なステージに。最後は、皆で背中を向け、×印が描かれた左腕を天に突き上げるというアラバスタ編のラストシーンを再現するといった熱い演出で前半戦を締めくくった。 後半戦は、唯一無二の歌声で知られるアーティスト・Aimerのオンステージからスタート。「StarRingChild」や「Brave Shine」などで圧倒的な歌唱力を聞かせ、観客を唸らせた。最後はTVアニメ「鬼滅の刃」遊郭編OPテーマ「残響散歌」で炎とレーザー、そして花火の映像を使ったド派手演出で、会場を盛り上げた。 人気ゲーム「ヘブンバーンズレッド」からは、劇中に登場するラウドロックユニット・She is Legendが登場。歌唱を担当するXAIと鈴木このみは、美しいハーモニーとパワフルなデスボイスといったギャップのある歌声で、ヴォーカリストとしての底力を遺憾なく発揮していた。 そして、アニサマ初登場の宮田俊哉は、「うたの☆プリンスさまっ♪」の一ノ瀬トキヤとのコラボで話題を呼んだ「Nemophila feat. 一ノ瀬トキヤ(ST☆RISH)」で、次元を超えた共演を実現。キラキラの王子様系オーラを振りまいてのパフォーマンスを披露した。その後のMCではKis-My-Ft2のライブで行っているという「お帰りなさいませお姫様!」「王子様ー!」というコール&レスポンスを楽しみ、客席との一体感を味わっていた。 アニサマの見どころのひとつでもあるコラボでは、宮田と伊東、楠木とアニソンシンガー・ASCAといった豪華なステージが展開。ASCAが、ソロとしてアニメ「ばいばい、アース」OPテーマでもある最新曲「FACELESS」でパワフルな歌声を披露したあとは、アーティスト活動10周年の迎えた声優・大橋彩香のステージがスタート。そこへオーイシマサヨシが乱入すると、客席からは「帰れ」コールが沸き上がる。そんなお約束を経て、2人はオーイシが大橋に提供した楽曲「シンガロン進化論」をコラボ。大橋のアーティスト活動を振り返る映像も流れ、お祝いムードで会場は満たされた。 満を持して、自身のパフォーマンスを披露することになったオーイシは、ダンスユニット・REAL AKIBA BOYZと共に「なまらめんこいギャル」や「死んだ!」といったTVアニメOPテーマをコミカルな演出で披露した。MCでは、今年のアニサマの「Stargazer」が、オーイシが何気なく口にした一言から命名されたということも明かされた。 そして、今年のDAY1のトリとして、今年で結成12年目を迎える声優アイドルユニット・i☆Risが登場した。昨年公開の、彼女たちが登場するアニメ映画「i☆Ris the Movie - Full Energy!! -」の映像と共に、彼女たちの出世作でもあるTVアニメ「プリパラ」シリーズのメドレーなどを元気いっぱいにパフォーマンス。MCでは、リーダーの山北早紀が、「アニサマのトリを務めるまではいろいろなつらいことがあったけれど、ここまで続けることができたのはファンの人たちのお陰でした」と涙声で感謝を伝えると、会場からは温かな拍手が。「みんなにもっと愛を届けたい」と叫んだ彼女たちが、「最強の仲間」と呼び込んだのがオーイシマサヨシ。「今の私たちにしか歌えない、ファンの皆さんへの愛を込めた1曲です」と、オーイシ作曲・i☆Risメンバー作詞による「愛 for you!」を夢のコラボで、会場のすべてのアニメファンに届けた。 トータル約5時間という夢のような時間を締めくくるのは、この日出演アーティストたちによる2024年テーマソング「Stargazer」。星々を繋げて星座を作るように、アーティストたちが各パートを歌い継ぐ、ドラマチックなメロディで、DAY1の幕は下ろされた。 取材・文=中村実香
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