業績悪化の日産マーCFOが近く退任の見通し-関係者
(ブルームバーグ): 日産自動車のスティーブン・マー最高財務責任者(CFO)が近く退任する見通しであることが分かった。事情に詳しい関係者が匿名を条件に明らかにした。
関係者は、業績悪化などを背景に早い段階で退任することになるとの見通しを示した。日産を退社するのか降格などになるかについては不明という。
日産は業績が急速に悪化する中、これまで財務の要を務めてきたマー氏抜きで再建を進めることになる。同社ではここ数年で、関潤副最高執行責任者(COO)やアシュワニ・グプタCOOが退社していた。
マー氏は1996年6月に北米日産に入社。中国の合弁会社を含め財務畑を中心に歩み2018年9月に日産本社の常務に昇格。カルロス・ゴーン元会長の逮捕を経て、現在の内田誠社長体制に移行した時期である19年12月からCFOを務めていた。
マー氏と日産の広報担当者はコメントを控えた。
日産はゴーン元会長逮捕後の混乱を経て一時は持ち直したものの、直近では再び業績が悪化。今月7日には今期(25年3月期)の営業利益予想を下方修正し、世界で生産能力の2割削減や9000人のリストラに踏み切るなど抜本的な対策で再建を進める方針だ。
内田氏は7日の会見で、チーフ・パフォーマンス・オフィサーを任命するほか来年1月と4月に経営体制を変更する考えを明らかにしていた。自身の進退については日産を成長軌道に戻すことが社長としての最大の役割と認識しているとし、報酬を半額返上した上で「果たすべき役目をやり遂げる覚悟」だと述べた。
日産を巡っては今月、エフィッシモ・キャピタル・マネージメントなどアクティビスト(物言う投資家)の株式保有も判明した。
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Masatsugu Horie, Reed Stevenson