『極悪女王』で再注目!ネトフリでは描かれなかった『クラッシュ・ギャルズ』が楽曲でも大当たりした訳
男性アイドルのコンサートのような熱狂ぶり
9月19日に配信がスタートするや、たちまち大人気作品となったNetflixのオリジナルシリーズ『極悪女王』。同作は’80年代に『全日本女子プロレス(全女)』に〝最恐ヒール〟として君臨し、ブームを巻き起こしたダンプ松本(63)の半生を描いた作品だ。主人公のダンプ役はお笑いタレントのゆりやんレトリィバァ(33)が演じた。 【再現度すごい…】『極悪女王』試合前のリングで熱唱する唐田えりかと剛力彩芽 そして、同作品で再び脚光を浴びているのが、当時、リング上でダンプと抗争を繰り広げた、超人気タッグチーム『クラッシュ・ギャルズ』だ。同作品では長与千種(59)役を唐田えりか(27)、ライオネス飛鳥(61)役を剛力彩芽(32)が演じた。 「クラッシュは当時、プロレスの枠を超える人気ぶりでした。1984年8月に『炎の聖書』で歌手デビュー。同曲の作詞は森雪之丞氏、作曲は後藤次利氏という豪華布陣で大ヒットしました。 『全女』は当時、フジテレビのバックアップもあって、クラッシュ以前には、レスラーと歌手の〝二刀流〟として、マッハ文朱やジャッキー佐藤とマキ上田の『ビューティ・ペア』の売り出しに成功します。 『ビューティ・ペア』の解散後、アイドル的なレスラーがいなくなったので売り出すことになったクラッシュでしたが、フタを開けてみれば大成功でした。当時はレコードを出したレスラーが試合前に歌うのが当たり前でしたが、会場はクラッシュ目当ての女子中高生のファンが多く、まるで男性アイドルのコンサート会場のような熱狂でした」(当時を知る音楽業界関係者) ◆楽曲もヒットした「理由」 長与は’21年8月27日に配信されたブル中野(56)のYouTubeチャンネルで【クラッシュギャルズ 結成秘話とスター街道】と題した動画に登場。 動画で語っていたところによると、当初、長与は歌を歌うことについてはあまり気が進まなかったそうだ。だが、『ピンク・レディー』と同じレコード会社からのデビューで、彼女らを手がけたプロデューサーが担当することを聞かされる。長与はもともとピンク・レディーにハマっていたこともあり、「私もピンク・レディーになれるんだ」と、がぜんやる気になって歌手デビューを決めたという。 「当時のクラッシュの2人は文字通り殺人的なスケジュール。早朝から夕方まで芸能活動をこなし、その後、マネジャーの運転する車で試合会場入りするという生活を送っていました。畑違いの芸能活動ですから、本人たちに〝やらされている感〟が出てしまっても不思議はありません。 しかし、そんな多忙な2人だったにもかかわらず、長与さんが言っていたように『すっかりその気になって』芸能活動に前のめりに取り組んだことで、そのパフォーマンスには輝きがありました。それゆえに大成功をおさめることができたのです」(ベテランプロレス記者) しかし、その全盛期は長くは続かなかった。1986年7月に6枚目のシングル『イッキにRock’n Roll』を発売した後、クラッシュとしてのレコードが発売されることはなかった。その代わりに長与が1986年10月に『100カラットの瞳』でソロデビュー。全女時代にシングル5枚、アルバム4枚を発売している。 「『極悪女王』の中ではそこまで詳細には描かれていませんが、飛鳥は次第に芸能活動を拒否するようになります。それは、ある女性芸能人に心酔し、その人の言うことしか聞かなくなってしまっていたためだといわれています。 対して、長与は両親への毎月の仕送り、さらには立て続けに両親が病を患ってしまったこともあって、稼がなければならず、芸能活動を継続せざるを得ませんでした。そのため、ソロになっても活動を続けていたのですが、やはりクラッシュのときほどの人気を得ることはできませんでした」(同前) 昨年、40周年を迎えたクラッシュ。その後、女子プロレス史上では後にも先にもクラッシュを超える人気と実力を兼ね備えたアイドルレスラーは出なかった。やはりクラッシュの唯一無二の輝きは2人揃ってこそのものだったのだろう。 ※「FRIDAYデジタル」では、皆様からの情報提供・タレコミをお待ちしています。下記の情報提供フォームまたは公式Xまで情報をお寄せ下さい。 情報提供フォーム:https://friday.kodansha.co.jp/tips 公式X:https://twitter.com/FRIDAY_twit
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