新品ホワイトボディで組んだMG-B【後編】後期用エンジンにクーラーも追加した快適仕様へ
【前編】から続く 【欧州名車列伝|1965年式 MG MG-B 後編】 1960~70年代にライトウエイトでクルマと一体となった操る楽しさを堪能できるクルマとして、英国製の小型スポーツカーが世界的にブームとなる。特にMG-Bは1962年のデビューから1980年に生産を終えるまの18年間で、52万台(シリーズ全体)を販売した英国を代表するスポーツカーだった。 【画像13枚】純正オプションのワイヤースポークホイールは、メッキタイプとシルバーフィニッシュの2種類が用意されていた。エンジンのBMC Bタイプタイプユニットは、1965年以降の5ベアリング化されたタイプに換装している。点火系はセミトランジスタ化しており、点火力を手に入れている。 MG-Bは世界中で販売され、レース参戦はもちろん、クルマを操る楽しさを味わえるクルマとして大ヒットしたモデル。それ故にMGとしても、さまざまな改良やアップデートを行っている。 1965年モデルからは、エンジンが5ベアリング化されるとともに、リアシートとハッチゲートを備えたクーペ「MG-B GT」を追加。従来の2座席オープン版は「ツアラー」と呼ばれることになる。 1967年には、北米の安全基準を導入するとともに電装系を一新したマークⅡに進化。4速MTの変速機もフルシンクロ化され、OD付きや3速ATも選択可能になった。 そして1969年には内外装を一新したマークⅢへと進化する。 さらに1974年秋には、アメリカの安全基準に合わせた黒いウレタンバンパーが装着され、エンジンも排ガス規制に対応。 これらの度重なる改良・変更を経て、80年10月に生産を終えることとなるが、18年間で生産台数はシリーズ全体で52万台以上にも達している。 また、MG-Bのバリエーションとしては、1967年に直列6気筒OHVエンジンを搭載したMG-C/MG-C GTが登場。 1973年には、アルミブロックを採用した3.5リッターのローバー製V型8気筒エンジンを搭載した大排気量モデルのMG-B GT V8を追加した。 今回取材したのは、1965年式のMG-Bだ。新車のように美しいボディだが、それもそのはず、新品のホワイトボディをベースに多くの新品パーツが使用された個体となっている。内装や幌も張り替えられ、まさに新車同然の状態なのだ。 また、4速MTやエンジンは改良された後期用のものを搭載してクーラーも追加。より快適に乗れる仕様としている。 ショップによれば「旧車初心者でも敷居が低く、楽しみやすいのがMG-Bの特徴です」とのこと。程度にもよるが、200万円台から入手でき、前述の通り新品パーツの入手も容易だ。オープンカーなどにジャンルを絞らずとも、あらゆる輸入車の旧車の中でも最もリーズナブルな選択肢のひとつがMG-Bといえるのではないだろうか。
Nosweb 編集部