自民、田畑氏処分せず 1区支部長は当面空席 不適切な党員登録問題
●党本部、党紀委に該当せず 自民党の田畑裕明衆院議員(富山1区)の事務所で不適切な党員登録があった問題で、党本部と党富山県連は12日、田畑氏を処分しないことを決めた。党員の処分を審査する党紀委員会を開く案件でないと判断したとみられる。党県連は次期衆院選で富山1区の公認候補となる党県第1選挙区支部長について、県連から申請するまで選任しないよう党本部に申し入れ、無期限の空席とすることを党本部が了承した。 ●県連常任顧問は解任 党県連の常任総務会終了後、宮本光明幹事長が県議事堂で報道陣の取材に応じた。宮本氏は会合で、田畑氏の県連常任顧問の役職を解任したとし「党員や有権者に理解をいただくまで、県連主催の行事や会合への参加は辞退してもらうことになる」と説明した。 宮本氏は、県連としては国会議員を処分することができないとした上で、党本部が田畑氏を処分しないことに「党紀委員会を開く案件かどうかという判断。そこまでの案件と理解してもらえていないということだ」と述べた。 自民党は既に、1区現職である田畑氏の第1選挙区支部長再任を保留し、当面の間支部長を不在とすることを決めている。ただ、今回の判断を経て、田畑氏は引き続き、党所属の国会議員として政治活動を続けることができる。 第1選挙区支部長の選任について、宮本氏は「今後一定期間、田畑氏がどんな説明責任を果たしていくのかをみながら議論していかなくてはならない」と説明。支部長選考の過程で田畑氏が候補に挙がるかは流動的とし、具体的な時期も言及を避けた。 田畑氏は11月の会見で、事務所が管理する党員のうち262人分が無断・架空登録だったと公表した。県連内では政治資金収支報告書の不記載など過去の問題を合わせ、党本部に離党勧告を含め厳しい処分を求める意見が相次いでいた。 ●「党所属として信頼回復」 田畑氏 田畑裕明衆院議員は「県連の対応は厳粛に受け止める。今後とも自民党所属の国会議員として信頼回復に努めていく」と話した。 ●「非常に厳しい措置」 橘県連会長 橘慶一郎県連会長は「不適切な党員登録はあってはならないことであり、政治資金を巡る一連の問題も踏まえて非常に厳しい措置となった。本人には有権者からの信頼を回復するため努めてもらいたい」と話した。