サポーターもどよめく仙台との縁。名古屋からベガルタ加入の井上詩音は、祖母と同居でご飯もモリモリ! 座右の銘は『何とかなるさ』
「このチームでJ1に上がりたい」
昨年のJ1昇格プレーオフで決勝まで進出しながら、あと一歩でJ1昇格を逃した仙台が1月8日、東北学院大学五橋キャンパス押川記念ホールにて、サポーターやパートナー企業含めて570人を集めて「2025シーズン新加入選手会見」を行なった。 【画像】サポーターが創り出す圧巻の光景で選手を後押し!Jリーグコレオグラフィー特集! 今季は11人の選手が新たに加入。浦和から完全移籍のMF武田英寿や、J1初昇格の岡山から完全移籍のGK堀田大暉といった仙台出身でアカデミー在籍経験のある選手(武田は小学生時代の一時期にジュニアに、堀田はJrユースとユースに在籍)も名を連ねる。 そんななか、意外な選手が仙台との縁を明かして注目を集めた。名古屋から完全移籍で加入したDF井上詩音は愛知県出身。名古屋U-18、専修大、甲府、名古屋でプレーし、一見すると仙台とのつながりを感じられない経歴だが、仙台への加入理由を問われた際に、こう答える。 「早い段階からすごく熱いオファーをいただいて、僕自身、両親が仙台出身ということもあって思い入れもあって、このチームでJ1に上がりたいと思いました。僕が小さい頃はずっと(仙台は)J1にいたので、僕の力でJ1に昇格できれば良いなと思います」 これにはサポーターもどよめき、大きな拍手が起こった。 また、仙台の街の印象を問われると、「ご飯がすごく美味しいところです。僕は今、おばあちゃんの家にいるのですが、毎日、料理を食べ過ぎちゃって体重が増えてきて、ちょっと気をつけないといけないなと思っています」という。 「ベガルタ仙台はサポーターのみなさんが熱くて、おばあちゃんからも『ベガルタのサポーターは凄いんだから!』とずっと言われて育ってきて、その前でプレーできるのがすごく嬉しいです。僕が軽いプレーをしたら檄を飛ばしてほしいですし、良いプレーをしたらいっぱい褒めてください」と語り、仙台サポーターを喜ばせた井上。仙台はここ数年、地元出身者など縁のある選手を多く集めているが、意外な形で縁の深い選手だった。 この他にも井上はユニークな回答が多く、栃木から加入したFW宮崎鴻が「僕は母がオーストラリア人のハーフなんですけど...」という話をした後に、「僕は父が日本人で、母も日本人なんですけど...」と言って笑いを誘う。座右の銘を問われると「僕が大事にしている言葉は『何とかなるさ』です。苦しいことや悲しいこと、いろいろあると思いますけど、自分自身で何とかしてみせる、何とかなるっしょと思うので、この言葉が好きです」と独特の感性を見せた。 「カップ戦も含めて、全試合にフル出場します」と個人的な目標を語った井上。カバーリングや統率力がストロングポイントというセンターバックが、両親の地元仙台でどれだけの活躍を見せるか大いに楽しみだ。 取材・文●小林健志(フリーライター)