サプリメントを飲んでいる方へ―紅麹サプリメントの健康被害から学ぶべきこと
◇典型的なサプリメントや薬剤のアレルギー反応の症状、病変が出ている
実はこれらは、腎臓内科の専門医として診察をしている際によく見かける症状、病変です。多くは薬剤への副作用、アレルギー反応から来るもので、抗菌薬やアスピリンのような非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)を服用することで起こりやすいとされています。 今回の原因がこのようなサプリメントや薬剤へのアレルギー反応である、とは現段階では言えませんが、報告された健康被害の内容だけ見れば典型的なアレルギー反応の症状、病変だとは言えるでしょう。
◇サプリや市販薬を飲む人は定期的な検査を
サプリメントや市販薬の使用は一般的には安全ですが、副作用やアレルギー反応自体はまれではあるものの誰にでも起こり得ます。ここで重要なのは、もしサプリメントや市販薬を飲んで体調の異変が起きたら、見過ごすことなくすぐにクリニックで医師の診察を受けることです。クリニックで血液検査を受ければどのような異変が起きているのかが分かり、その後の治療も明確になります。 また、サプリメントや市販薬を服用している方には、副作用を自覚しにくい方もいらっしゃいます。そのような状態を放置しないためにも、普段から定期的に血液検査を受けて、副作用がないか確認することが大切です。
◇暑い季節に気をつけたいこと
暑い夏の時期には、サプリメントや市販薬の摂取でもう1点、気をつけていただきたいことがあります。自覚症状が出たらすぐに受診しましょう。 たとえば基礎疾患として慢性腎臓病を持ち、腰痛のため市販のロキソプロフェンを使用している方がいるとします。夏になり脱水症状が起こると、ロキソプロフェンが腎機能の低下に寄与し、急性腎不全になる可能性があります。吐き気や倦怠(けんたい)感、尿の異変などの自覚症状が出た場合は、すぐにクリニックを受診しましょう。 それとともに、繰り返しとなりますが普段から血液検査を受けて自分の体をモニターしておくことが、サプリメントや市販薬を飲まれる方には重要です。
メディカルノート