全英女子をパスして戦い切った2勝目、国内メジャー初制覇の3勝目。そして25年は「トップ選手として迎えるシーズンです」【中村修が振り返る「桑木志帆の躍進」・後編】
残り3戦の大切さをチームで確認して臨んだ「伊藤園レディス」は9位、「エリエールレディス」では中村マネージャーがキャディを務めて7位タイ、そして最終戦の「JLPGAツアー選手権リコー杯」では前週から投入していたコーライグリーン用パターも功を奏し、初日から首位を譲らない完全優勝で国内メジャー初制覇で3勝目を飾ることができました。最終日は今季課題としていたアプローチとパットでスコアメイクし、メンタルも最後まで崩れることなく、1打差で後続を振り切っての優勝です。 この結果で世界ランキングは62位まで上がり、来年の全米女子オープンの出場資格はほぼ手中に。来年の開催コースであるエリンヒルズGCは2017年の全米オープン開催コースで、当時私は取材で1週間コースを歩き倒し、最終日翌日の月曜日にはメディアデーでプレーもした思い入れのあるコース。初出場となる海外メジャーでしっかりと結果を残せるようにオフからアップダウンのあるリンクスに対する準備もしなければならないと思っています。 最終的には世界ランク60位で2024年を終えることになりましたが、6月の4週目に開催される女子メジャー「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」の出場資格は開催4週前の世界ランク60位。当然、出場を目指していきたいのですが、そのためには国内の開幕戦からの3カ月で世界ランクを落とさないような準備をオフの間にどれだけできるかが重要になって来ます。 その準備が実を結べば、全英女子オープンやエビアン選手権といった次の海外メジャーへの道も開けるはずです。そしてメジャーのドアをノックし続けていればいつかは……と夢はふくらみます。 これまでは山下美夢有、竹田麗央、岩井明愛・千怜姉妹といった自分よりも世界ランクが上の選手が間近にいましたが、2025年シーズンを彼女たちはみな米女子ツアーを主戦場に戦うため、桑木より上位の選手は小祝さくら選手のみ。 もちろん第二、第三の山下美夢有、竹田麗央が表れる可能性も大いにある中ですが、来季は勢いだけではなく、真のトップオブトップになれるかどうかがかかった勝負のシーズン。自分を見失わずに1試合1試合、1打1打に集中して積み重ねること。その1打をチームで支え、進めていけたらと思っています。
プロゴルファー・中村修