3R、ダウンを奪う岩田翔吉（右）＝有明アリーナ（佐藤徳昭撮影）

ボクシングの世界戦4試合が13日、東京・有明アリーナで行われ、世界ボクシング機構（WBO）ライトフライ級王座決定戦で岩田翔吉（帝拳）がハイロ・ノリエガ（スペイン）に3回3分TKO勝ちし、2度目の世界挑戦で新王者となった。 ◇ 試合の決着は早々に訪れた。3回、岩田は右アッパーでノリエガからダウンを奪うと、ラウンド終了間際、右ボディーからの左フックで相手の顎をきれいに打ち抜いた。真後ろに倒すTKO勝ちで見事、戴冠した28歳は「今までの試合で一番落ち着いていけた。それが今日の勝利につながった」と納得の表情だ。 WBOライトフライ級王者のジョナサン・ゴンサレス（プエルトリコ）に挑戦し、判定で敗れてから約2年。フィジカルトレーニングで体を強くし、武器である「硬くて重いパンチ」（粟生隆寛トレーナー）を生かすため、相手との駆け引きを身に付けてきた。この日、勝利を引き寄せたアッパーは、ノリエガが前傾になっているのを見極めたうえで繰り出したという。 早稲田大学出身者が世界王者になるのは岩田が初めて。「早稲田のボクシングはすごく強いわけではない。だからこそチャンピオンになって、歴史に名を刻みたい気持ちでいた。まだもっと強くなれると思っている」。次戦は、12日に国際ボクシング連盟（IBF）同級王者になったばかりの矢吹正道（LUSH緑）との日本人対決を希望した。（宝田将志）