【ハイライト動画あり】前半を制した明大。後半に修正の帝京大。昨季大学決勝の再戦は24-24のドロー
その坂本は、キッカーとしても活躍した。3つのコンバージョンキック+41分のPGと、4本のプレースキックすべてを成功させた。 プライドを持つスクラムでは思うようなプレーできなかったが、昨季大学王者からトライを重ねた紫紺のジャージに、豊かな才能を感じた人は多かっただろう。
前半は劣勢だった帝京大は、後半に入って、より気持ちを込めてプレーしたように感じた。 それが顕著に感じられたのがディフェンス面だ。全員で前へ出て明大の好ランナーに動くスペースを与えなかった。
スクラムでは優位に立っているのだから、防御が機能し始めたら流れは自分たちに来る。 帝京大が後半に挙げた3つのトライは、すべてセットプレー絡みだった。スクラムでPKを得る。前進、ラインアウトから。自分たちの強みを出して得点機を得た。
後半17分、ラインアウトから大きく右に展開し、後に鋭くFWで前に出る。BKで大きく左に攻め、最後はサポートしたFLグアイニ優人がインゴールに飛び込んだ。 その7分後はゴール前のラインアウトを押し込み、途中出場の倉橋歓太がトライを挙げた。
同点に追いついたのは後半28分だった。 ラインアウト後にできたラックから、NO8カイサ・ダウナカマカマがボールを持ち出し、そのままトライラインまで走り切った。
24-24となってから88分過ぎまでのラスト20分も、互いに攻め合った。 両チームの勝ちたい気持ちが、各プレー後のリアクションからも伝わった。 試合後、帝京大・FL青木恵斗主将の目からは涙が溢れていた。
試合後、帝京大の相馬朋和監督は、ハーフタイムの指示について、「選手それぞれが果たすべき役割ができていないところが多い。とにかく自分の役割を果たす。それをひとつひとつ積み重ねていくことが自分たちのゲームになっていく、という話をしました」と説明した。
後半に修正できたことについて青木主将は、「ラグビーはコンタクトゲーム。身体を当てよう。そこで負けると明治の勢いに負けてしまう。しっかり身体を当てて止めることがゲームをうまく運ぶための方法。みんなには、まずタックルで芯に入ろう」と伝え、「仲間も見てくれている。試合に出る15人、23人はチームの代表。それに恥じないプレーをして、痛いところ、激しいところから逃げずに、コンタクトしよう」と鼓舞したそうだ。