【国学院久我山－高知】力投する高知の先発・山下＝阪神甲子園球場で2022年3月25日、滝川大貴撮影

　第94回選抜高校野球大会は第7日の25日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で2回戦があり、高知は3―6で国学院久我山（東京）に敗れた。先発と救援で2度登板した山下圭太投手（3年）は計6回4失点で、主戦としての役割を果たせなかった。 【国学院久我山、初の8強　熱戦を写真で】 　タイムを取ってマウンドで靴ひもを結び直した。「自分たちのペースではなかったので、間を作りたかった」。八回2死一、二塁。ビハインドは3点。これ以上の失点は許されないのは分かっていた。だが、2度目の登板も本来の投球ではなかった。 　国学院久我山の8番・松本慎之介に1ボールから投じた132キロの直球が真ん中に入り、中前へはじき返された。1点を失うと、本塁付近で息を吐いた。 　1回戦に続く先発も立ち上がりから直球の制球が今ひとつだった。4回2失点で降板後、「体が前へ伸び切れていない」とベンチ前でのキャッチボールで修正を図ったが、最後まで実らなかった。 　背番号「1」をつけるが、昨秋の新チーム発足時は構想外だった。球の回転数や回転軸などを測る簡易型の測定器「ラプソード」が転機となった。「変化球の精度や回転数、回転軸がすごく良かった」と浜口監督の目に留まり、野手兼任投手の一人としてメンバー入り。降板後に内外野を守り、再び登板できる器用さも買われ、継投で戦うチームの要に成長した。 　「（投手陣の）中心の自分がやらないと継投策も話にならない。チーム全員から信頼される投手になりたい」。チーム一の負けず嫌い。このまま終わる気はさらさらない。【安田光高】 　◇全31試合をライブ中継 　公式サイト「センバツLIVE！」（https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022）では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」（https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/）でも展開します。