横審、途中休場の照ノ富士は秋場所まで静観 その後の判断は「責任感を持つ」横綱自身にゆだねる姿勢
日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)の定例会合が27日、東京・両国国技館で開かれた。夏場所を、左脇腹などの負傷で2場所連続で途中休場した横綱・照ノ富士(伊勢ケ浜)について、山内昌之委員長(東大名誉教授)は9月の秋場所までは静観する構えを見せた。 最高位の休場には「残念だったことは事実だと思います」と率直な感想を吐露。その上で「場所に少しでも出ようとした敢闘精神、責任感の表れは評価できるところではあります」と語った。休場が増えている横綱だが、4場所連続と3場所連続の休場明けで優勝するなど力を示すケースもあることは事実。山内委員長は「(7月の)名古屋場所はけがや体調などについても万全を期して戻りたいという言葉が、(師匠の伊勢ケ浜)親方などを通しても聞こえてきております。名古屋場所あるいは次の秋場所、ここまで私たちはけがの回復過程やあるいは土俵への復帰について、横綱の執念と責任感というものを見てみようではないか、という話題になりました。結論というほどではないにしても、そのような形で見守ろうということですね」と明かした。 現状では横審として「激励、注意、ましてや引退勧告ということには到底当てはまるものではないだろうということ」と決議する段階にはないと説明。その上で「横審全体として名古屋場所、あるいは次の東京場所(秋場所)ということを明示したわけですから。結果はどういうふうになるかわかりませんので。そこでいろいろ判断していくのはやはり横綱としての責任感を誰よりも持っている、照ノ富士関自身になるのではないでしょうか。横審がそこで先走りして、こうなるでしょうということまで語るのは少し僭越(せんえつ)になるのではないかと。ですから、私の発言はそこで止めておきたいのです」と明言はしなかった。ただ秋場所までの状況が分岐点となる可能性もありそうだ。
報知新聞社