尹大統領 対中関係「相互尊重と国際規範に基づき共同利益追求」
【シンガポール聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は9日(現地時間)、シンガポール政府系シンクタンクの東南アジア研究所が主催する講演会「シンガポール・レクチャー」で講演し、米国、中国との関係において韓国が政治的・政策的に考慮すべき事項は何かという質問に対して「韓米関係だけでなく、対中関係でも相互尊重と国際規範の原則に基づき共通の利益を追求する関係を築いている」と述べた。 尹大統領は米国について「われわれの自由を守るのに大きく貢献した唯一の同盟国」とし、韓国の外交と対外政策の根幹は韓米同盟にあると強調した。 中国については、北朝鮮を支援し韓国軍・国連軍と戦った歴史があるとしながら、「このような過去に埋もれるのではなく、未来志向的なレベルで韓国の安全保障・経済・投資などあらゆる分野において非常に重要な国であることは間違いない」と述べた。 また、米中の競争に関しては「原則は規範に立脚した国際秩序という枠組みの中で競争が行われなければならない」と言及。「グローバルレベルでの規範に基づいた合理的な国際秩序をけん引する建設的な関与によって中国との関係を築いている」と説明した。 尹大統領が8月に発表した自由・平和・繁栄に基づき南北統一を目指す構想「統一ドクトリン」が北朝鮮にとって脅威になるのではないかとの質問には、「脅威には全くならない」とし、統一の原則とビジョンは自由・平和統一であり、韓国の憲法はいかなる武力や物理力による強制的な統一も認めていないと強調した。 続けて、統一は韓国が享受する自由主義体制を北朝鮮へと拡張することだとして、韓国が自由民主主義のシステムをさらに強固にし、北朝鮮の住民にさまざまな方法で自由と人権について知らせることによって北朝鮮住民が「自由統一」を渇望する環境を作り、統一が国際社会にとって本当に必要で役に立つという共通認識を持たれるように連帯する過程だと述べた。 さらに、「北は対話を拒否して核兵器に固執し、全体主義的な権力維持の手段としている」として、直ちに統一を期待するのは難しいが、統一に向けた行動を着実に実践すれば、状況の変化や機会が訪れた際に統一を実現できると力説した。 シンガポール・レクチャーは東南アジア研究所が同国を訪問する首脳級を招いて開く講演会。これまでに中国の習近平国家主席や日本の安倍晋三元首相、インドのモディ首相らが演壇に立った。
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