アストンマーティン「ヴァンキッシュ」の3代目は新開発V12エンジン搭載で威風堂々!
アストンマーティンの12気筒といえば、さきに触れたとおりDBSが搭載していた5.9リッターがありますが、今回は排気量を5.2リッターにダウンサイズ。CO2排出量をこうして抑えるいっぽう、パワーはなんと614kWに達します。 ドライブすると、このエンジン、すごいのひと言。1000Nmもの最大トルクが2500rpmから出ますから、発進からしてたいそう力強く、エンジン回転が4000rpmにさしかかるあたりから、ターボチャージャーが効きはじめて、怒濤の、というかんじで大パワーが後輪を駆動して、車体を押し出します。 クルマ好きのオヤジさんならわかっていただけると思いますが、12気筒のよさとは、トルク感。つまり、アクセルペダルを軽く踏んだだけで、すぐに加速していく力強さにあります。
ノングノーズ後輪駆動でもカーブは得意です
もうひとつはイメージ。ヴァンキッシュの開発にたずさわったアレックス・ロング氏は「COVIDが終わって、市場では、8気筒、できれば12気筒のニューモデルに乗りたいという声が高くなっていたのをかんがみました」と開発の背景を語ってくれました。 いつまで乗っていられるかわからない12気筒ゆえにいまこそ、という思いを持つクルマ好きが多いということです。ハイブリッドを含めた電動車にも魅力はあるものの、12気筒エンジンというぜいたくなイメージもまた大事なのですね。
ヴァンキッシュはこの12気筒エンジンの大きさをまったく感じさせません。英国のスポーツカーらしくノングノーズの後輪駆動で、ドライブにしている自分はほとんど後輪の上に座るような、伝統的なレイアウトにこだわっていますが、操縦感覚はいたってナチュラル。 小さなカーブだろうとすいすいと曲がるし、カーブを抜けたあとのダッシュ力もたいしたもんです。スポーツカーでもっとも重要なパーツのひとつであるブレーキはたいへんよく効き、自分のからだがヴァンキッシュと合体したような感覚でドライブできます。