万博無料招待に揺れる学校現場「トイレは?」「混雑状況は?」現役教員たちが夢洲へ…爆発事故現場を見て懸念も「安心して連れていきたい」
「全員で安全に帰ってこられたのがすごく良かった」
午後、生徒たちが食べ歩きを楽しむ中、松井教諭は一足早く学校に戻り、生徒らを出迎える準備です。目標の午後3時半までに全ての班が学校に戻ってきました。 (生徒たちに話す松井教諭)「離脱する人もいなくて、最後全員で安全に帰ってこられたのがすごく良かったかなと思います」
来年の校外学習先は万博?現場ならではの懸念
こうした校外学習、来年の行き先になるかもしれないのが、大阪・関西万博です。 (大阪府 吉村洋文知事 去年8月30日)「今の子どもたちが将来の未来社会を作っていくわけなので、ぜひその子どもたちに肌で万博、そして未来社会に触れてもらいたい」 大阪府では、府内の小・中・高校生らを校外学習などのために万博に無料で招待することにしています。ただ、今年3月に会場の建設現場で発生したガス爆発事故を受け、教職員組合などから安全性を疑問視する声も上がっています。 子どもたちのためになるように万博での校外学習を実りあるものにしたいと考える現役教諭らのグループ「おまかせHR研究会」。万博には賛成でも反対でもないとしたうえで、府に対して「児童や生徒の学びと安全を保障してほしい」などとする声明を発表しています。 グループは府議会・大阪市議会に陳情を出し、今後請願も出すことにしていて、5月22日に行われた内容を話し合う会議では、現場ならではの懸念の声が寄せられました。 (中学教諭)「会場内は現金使えないんですよね、キャッシュレス。だから中学生はスマートフォンを持っていけない時点で、何か途中で水分ほしいとか何か買いたいと言っても買えない。ほんまに熱中症で水分足りなくなったら、教師のPayPayで水分買って渡すのかな?」 (中学教諭)「そうなるでしょうね、緊急事態やったら。水筒何本も持っていけないし」 (高校教諭)「見るパビリオンが決まっていたらどういう学習をしてそこに行くか考えていきますよね。でも中を見せてもらえなかったら何を学んでいったらいいのか…」 議論が行き詰まったメンバーたち、思い切って夢洲に行くことを決めました。