逆境を糧にV字回復! 飲食業界のカリスマ・松村厚久を鼓舞したアイテムとは
神は乗り越えられない試練は与えないから
コロナ禍において、松村氏がその未曾有の危機をどう闘い抜いたのかは、著書『熱狂宣言2 コロナ激闘編』に詳しい。外食産業に命を燃やしてきた松村氏は、その火を決して絶やしてはならないと、聖火という炎に熱い想いを注いだのだ。 ちなみに、聖火リレーのトーチキスを終えた松村氏は、なんとそのままのユニフォーム姿で、このトーチを抱えて、丸2日間、街から街へと出歩いていたのだそう。 「昼間はユニフォームのまま仕事して、夜は知り合いのパーティーに呼ばれたり、自分のお店に顔を出したり、六本木や新橋を朝まで練り歩いていましたね。待ちに待ったオリンピックがとうとう開催される! 僕もみんなも、街全体が世紀の興奮に包まれていた。そんな記憶があります」 この聖火リレートーチはデザイナーの吉岡徳仁氏が手がけたもので、俯瞰で見ると桜の花の形をしている。それは福島県の被災地の子供たちと桜の絵を描いたことがきっかけで、復興への想いや希望が込められているのだとか。 「今まで多くの危機があったけれど、神は乗り越えられない試練は与えないっていうでしょ? 僕はいつも禍いが過ぎ去ったあとは『大したことなかったな』って思うようにしてる。『いろいろあったけどさ、忘れちゃったよ』って(笑)」 そう笑顔でうそぶくが、DDグループが見事にV字回復を果たした今、この桜の花咲くトーチが、今後もきっと自身をエンパワーメントしてくれるに違いない。 ATSUHISA MATSUMURA Steps in History 28歳|日焼けサロンで独立 34歳|銀座に「VAMPIRE CAFE」開店。翌年、ダイヤモンドダイニングに商号変更 43歳|100店舗100業態を達成する 48歳|東京証券取引所一部(現・東証プライム)に上場 57歳|パンデミックの危機を乗り越え、V字回復を果たし、過去最高益を記録 松村厚久/ATSUHISA MATSUMURA DDグループ代表取締役社長・グループCEO。1967年高知県生まれ。飲食業界のカリスマ。コロナ禍での激闘の様子が描かれた書籍『熱狂宣言2 コロナ激闘編』が好評発売中。
TEXT=本庄真穂