日本・米国・中国の開発状況は?「自動運転」の現在地と私たちへの影響
1.社会的な課題の解決 「過疎地での移動手段の確保や、運転できない高齢者や免許を持たない人々の移動支援、さらには交通事故の減少などが期待されています」
2.SDGsへの対応 「北米やヨーロッパでは、サステナブルではない化石燃料からの脱却を急ぎ、EVへの移行が進められています。現在、EVの充電に使われる電力の多くは化石燃料を利用して発電されており、その段階でCO2が排出されていますが、再生可能エネルギー(太陽光や風力など)に切り替えることで、環境への負荷を大幅に減らすことができます。SDGsに対応してEVシフトが進むほど、自動運転技術の開発も加速するのです」
実現しているのはレベル3まで。 自動運転技術の5段階
自動運転は、国際規格の分類に基づき、5つのレベルで区分されています。 自動運転レベル1 ……アクセル・ブレーキ操作またはハンドル操作のどちらかが、部分的に自動化された状態。 運転操作の主体:運転者 車両の名称:「運転支援車」 自動運転レベル2 ……アクセル・ブレーキ操作およびハンドル操作の両方が、部分的に自動化された状態。 運転操作の主体:運転者 車両の名称:「運転支援車」 自動運転レベル3 ……特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態。ただし、自動運行装置の作動中、自動運行装置が正常に作動しないおそれがある場合において、運転者に運転操作を促す警報が発せられるので、適切に応答しなければならない。 運転操作の主体:自動運行装置(自動運行装置の作動が困難な場合は運転者) 車両の名称:条件付自動運転車(限定領域) 自動運転レベル4 ……特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態。 運転操作の主体:自動運行装置 車両の名称:自動運転車(限定領域) 自動運転レベル5 ……全領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態。 運転操作の主体:自動運行装置 車両の名称:完全自動運転車 「本当の意味で自動運転と呼べるのは、レベル4と5のみです。レベル1~3とレベル4~5の大きな違いは、“責任の所在”にあります。レベル1~3の車では、運転操作に対してドライバーが責任を持ち、事故が起きた際もその責任はドライバーにあります。レベル4~5では、車のシステムが運転を担うため、システムに責任が生じることになります」