能登半島地震「活動は依然活発で震度6弱以上も発生しやすい」 政府調査委、警戒呼びかけ
政府調査委は、これまで震源断層は能登半島の北東から南西に延びる推定150キロ程度で、同半島沖の複数の断層が連動したとの見方を示している。今回、海上保安庁の新たな調査結果を踏まえて、複数の活断層のうち半島北西にある「猿山沖セグメント」と呼ばれる海域の活断層がずれ動いた可能性が高いとの見解を示した。
海上保安庁は1月8~19日に測量船「昭洋」で能登半島北部の海底地形調査を実施し、石川県輪島市上大沢町から北西に約1キロ沖の海底が最大3メートル程度隆起しているのを確認した。2003年のデータと比較した結果、水深40~90メートルの海底が3メートル以上浅くなっていたという。調査結果は9日の政府調査委で報告された。
政府調査委はまた、富山市沖約4キロの富山湾海底で、斜面が長さ約500メートル、幅約80メートルにわたって崩れ、水深が最大約40メートル程度深くなっていたことが海上保安庁の調査で確認されたとした。地震発生の3分後に富山市で観測された津波の原因となった可能性を指摘している。
津波について気象庁は地震直後に観測された最大値は「輪島市輪島港で1.2メートル以上」と発表していたが、地盤の隆起や装置の故障の影響も考えられるとしてこの観測結果を取り消し、欠測扱いにしていた。政府調査委は検潮所で観測した津波の最大値は金沢市と山形県酒田市の80センチで、内陸をさかのぼった高さを示す遡上(そじょう)高は新潟県上越市で最大5メートル以上(気象庁発表では同市船見公園で5.8メートル観測)とした。