子どもが電車好きで「運転手さんになりたい」と言っています。電車の運転手って倍率も高いのでしょうか? 将来は「自動運転」になるし採用が少なくなりますよね?
子どもがなりたい職業の中で、今でも小学生男子に根強い人気があるのが電車の運転手です。親としても子どもがあまり現実的ではない職業にあこがれるより、電車の運転手は比較的安定したイメージがあり安心できるのではないでしょうか。 本記事では電車の運転手に関する求人状況や将来性について解説します。子どもが興味を持っている人は参考にしてください。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
電車運転士の特徴と、なるために必要なこと
運転手は職業の正式名称では運転士と呼ばれ、その前に運転する車両の名称が付いて、電車の運転手は「電車運転士」になります。大きくまとめると鉄道運転士、さらに細かく分けると運転する車両によって地下鉄運転士やモノレール運転士などに分かれます。 それでは、電車運転士の概要や就職状況、必要資格などを解説します。 ■電車運転士とは 電車運転士の主な仕事は、電車を運転し乗客や荷物を安全に目的地まで届けることです。しかし、運転士の仕事に、発車の準備や到着後の報告も含まれます。また、事故が発生した場合に適切に処置することも電車運転士の仕事です。 具体的に電車運転士が行うのは以下の作業です。 ●運行計画に基づき、各種連絡事項を確認してから電車に乗務する ●路線の状況に応じた速度の調節、信号機・標識・線路の状況に注意しながら、ダイヤにしたがって運転をする ●車両が故障したときに、マニュアルに基づき適切に対処する 最近では車掌がいないワンマン運転も増えており、本来は車掌が行う仕事も部分的に担うことがあります。 ■電車運転士の就職状況 電車運転士を目指す人にとって、職に就きやすいかなどの就職状況は気になるところです。厚生労働省が運営する職業情報提供サイト「jobtag」では、電車運転士に関する就職情報も提供しています。図表1にまとめたので参考にしてください。 【図表1】
厚生労働省 職業情報提供サイト「jobtag」 電車運転士より筆者作成 全国の平均年収458万円と比べると、電車運転士の年収は高水準にあります。また、労働時間も上限の月160時間(週40時間×4)を下回っており、労働環境はよいと判断できます。しかし、良好な労働環境も相まって有効求人倍率が低く、就職が難しいのがデメリットです。 ■電車運転士に必要な資格など 電車運転士として仕事をするためには、国家試験を受けて「動力車操縦者運転免許」を取得しなければなりません。しかし、電車運転士を目指す場合は鉄道会社への就職を前提にしている人がほとんどでしょう。 国が認めた訓練所のある鉄道会社では、国家試験を受験する必要はありません。就職してから「動力車運転者養成所」で訓練を受けて合格基準に達すれば国家試験が免除されます。