侍J撃破で初の栄誉…台湾が見据える“野望” メンバー大幅刷新で挑む新たな世界一
国内リーグも活況の台湾プロ野球…来春のWBCではメンバー一新の見込み
決勝後、台湾メディアは主将の陳傑憲外野手(統一セブンイレブン・ライオンズ)に向け、昨年のWBCの決勝前に「憧れるのをやめましょう」と呼びかけた大谷翔平投手(ドジャース)のように、何かナインに呼びかけたのかと尋ねた。陳はこれを否定したが、「今後、台湾の選手はより自信をもって、国際大会で世界の強豪国と戦っていけると思う」と意義の大きさを語った。 代表28人中26人が台湾プロ野球所属の選手で、優勝したことにも価値がある。過去、台湾プロ野球は、幾度も八百長など不祥事があり、観客が激減。複数の球団が解散や身売りに追い込まれ、リーグ存続の危機に直面したこともある。しかし、2013年のWBCをきっかけに野球人気が復活。1試合平均の観客動員数は2433人から6079人と、1992年以来2度目の6000人台を達成した。以降、各球団の経営努力に加え、電子音楽導入やチアリーダー増員など、応援を中心としたエンターテインメント路線も功を奏し、50000人台をキープした。 昨年は2013年以来、史上3度目の6000人台へ。今季は台鋼ホークスが参入した効果もあり、年間観客動員数は276万6386人になった。1試合平均は7684人で。いずれも35年目で史上最多を記録した。台湾プロ野球にとって最高のシーズンを、プレミア12優勝で締めることとなった。 しかし、来季の開幕前にはWBC予選が待っている。2023年WBCで台湾代表は1次ラウンドA組で最下位となり、予選に回ることとなった。代表選手の顔ぶれは一新されそうだ。12月11日にCPBLから発表されたリリースによると、ラージリスト35人のうち「海外組」が12、13人を占め、プレミア12の代表選手は陳のみとなった。 台北ドームで開催される予選A組に入った台湾は、来年2月21日から25日、ニカラグア、スペイン、南アフリカと2枠をかけ戦う。予選を突破し、2026年の本戦では再び日本と熱い戦いを繰り広げてもらいたい。
「パ・リーグ インサイト」駒田英