オコエ、藤浪の151キロを打って開幕1軍への第二関門突破!
だが、梨田監督は、一歩引いた目で見ていた。 「ストレートに振り遅れていたのが課題だったが、対応力は出てきた。ただ、外角低めの距離のあるコースのボールだから打てた。あれがインハイなら無理でしょう」 確かに藤浪も、この日は、ほとんどのボールがシュート回転していて、151キロは出ていたが、ベストなボールだったかと聞かれれば、そうではない。 それでも結果で評価されるのがプロの世界。梨田監督は、オコエを22日からの宮崎遠征に続けて帯同させる方針を決断した。 「キャンプの20日間でプロの雰囲気にも慣れてきた。守備は問題ないし、きょうも4回にベンチに下がってからも、しっかりと声を出していた。合格ですよ」 この沖縄の金武キャンプを乗り越えるのが、開幕1軍に向けての第二関門だったが、自らのバットで残した結果で突破した。昨年夏にU-18の侍ジャパンと、大学選抜チームが対戦した際、創価大の田中正義投手の150キロストレートを打った経験はあるが、未知の世界とも言える藤浪のストレートに対して、準備を早めバットを短く持ち、見事に対応してみせた適応能力には、やはり非凡さを感じる。 「野球に対する気合はいつでもMAXですから」 宮崎遠征帯同メンバーに生き残ったことに対するコメントを求められ、オコエは、そう発言した。 外野手の開幕1軍メンバーを昨年と、同様に6人と想定すると、松井稼頭央、新外国人のゴームズの2人は、当確。残り4枠のうち岡島豪郎、聖澤諒、福田将儀あたりが、ほぼ確実と考えれば、ラスト1枠をオコエは、牧田明久、枡田慎太郎、島内宏明と争うことになる。開幕まで残り約1か月。「持っている男」は、ここから先、どれだけの進化を続けることができるのだろうか。