「否定されないことで助かった」オーバードーズ経験者が語る苦悩と後悔 抜け出すために必要なこととは?
メ~テレ(名古屋テレビ)
若者の間で増えている、市販薬の過剰摂取、いわゆる「オーバードーズ」で苦しんだ若者が、名古屋市内の大学でその経験を語りました。 「風邪薬などをもって、ちょくちょく飲んでいた。それがどんどん『これいいじゃん』とエスカレートしていって、結果的に逮捕された」(オーバードーズを経験した女性・22歳) こう話すのは、市販薬の過剰摂取や、違法薬物の売買に手を染め、逮捕された経験のある22歳の女性です。 女性は、17歳の時に家族内のトラブルの悩みなどから、オーバードーズを繰り返すようになったといいます。 「これめっちゃいいじゃん。現実忘れられる、現状に起きていること。家に帰ったら成績が悪いと言われるけど、ここで薬をやっておけばそれに向き合わなくていい。先生のことも忘れられる。自分が全然使えない人間だって忘れられる。『これが一番早いじゃん』となってしまう」(女性)
オーバードーズは全国で社会問題に
オーバードーズはいま、市販薬を過剰摂取することで多幸感を得られると若者の間で広まり、全国で社会問題になっています。 「死ぬのが怖くて、死にたくないからオーバードーズをしている。オーバードーズをしているタイミングは、まだ救いようがある」(女性) 女性は、逮捕され少年院に入所したことをきっかけに、両親と話し合いを重ね、更生への道を歩めたと話します。 「『ダメ絶対』と言っている大人が一番嫌いだった。やはり否定しないこと、薬やお酒もそう。依存している人に『やめろ』や『それは良くないことだ』『社会的にダメだぞ』と言うと反対の方にダメになる。また否定されたと。私は否定されないことで助かった」(女性)
学生たちにオーバードーズを知ってもらいたいと開催
今回の講義は椙山女学園大学が、愛知県の千種警察署と啓発動画を共同制作したことがきっかけで、もっと学生たちにオーバードーズを知ってもらいたいと開催されました。 若者の間で広がっているというオーバードーズ、この講演を聞いて、まさにその世代の学生たちは何を感じるのでしょうか。 Q.オーバードーズの話を聞いて感じたことは 「講演会で話を聞く機会がなかったので、すごくためになった。知らないことを知れた。逮捕に至ったなどスケールが大きかったので、軽視していたが、周りにいたら気にかけてあげるべきだと思った」(2年生) 「ちゃんと感情をコントロールしないと、あすは我が身ではないが、他人事ではないと思った」(4年生) 「人とつながることがとても大切だと思ったので、友達や家族に恥ずかしくても気持ちを伝える。少しでも、一言でもいいから自分から発する言葉が必要だと感じた」(4年生)