断トツ数値残した天才打者…圧倒の17.94 現実味帯びてきたリーグ20年ぶりの偉業
断トツ数値が並ぶ鷹・近藤…視野に入った3冠王
打者評価としては、平均的な打者が同じ打席数に立ったと仮定した場合よりも、どれだけその選手が得点を増やしたかを示す「wRAA」を用いる。wRAAの上位ランキングは以下の通りとなった。 〇近藤健介(ソフトバンク):wRAA17.94、91打席、OPS1.290、打率.413、本塁打7 〇水谷瞬(日本ハム):wRAA8.91、91打席、OPS.945、打率.333、本塁打3 〇岡大海(ロッテ):wRAA7.92、83打席、OPS.975、打率.361、本塁打0 〇森友哉(オリックス):wRAA7.08、41打席、OPS1.158、打率.389、本塁打2 〇外崎修汰(西武):wRAA5.05、34打席、OPS1.071、打率.296、本塁打2 〇万波中正(日本ハム)wRAA5.04、100打席、OPS.841、打率.309、本塁打3 〇辰己涼介(楽天)wRAA4.68、93打席、OPS.800、打率.298、本塁打1 6月のソフトバンクの快進撃を打撃面で牽引したのは近藤健介である。月間打率 .413、本塁打7、打点23はすべて首位の「3冠」。出塁率 .516、長打率.773、OPS1.290もすべてダントツである。 シーズン記録でも打率、本塁打でリーグ1位、打点も山川穂高に次いで2位。出塁率の高いソフトバンク上位打線の後を打つ近藤にとっては打点を稼げる環境にあり、松中信彦以来のパ・リーグ打撃3冠も視野に入った。天性のバットコントールに加え、打球速度の上昇により長打力が兼ね備わった近藤を6月の月間MVPパ・リーグ打者部門に推薦する。 鳥越規央 プロフィール 統計学者/江戸川大学客員教授 「セイバーメトリクス」(※野球等において、選手データを統計学的見地から客観的に分析し、評価や戦略を立てる際に活用する分析方法)の日本での第一人者。野球の他にも、サッカー、ゴルフなどスポーツ統計学全般の研究を行なっている。また、テレビ番組の監修などエンターテインメント業界でも活躍。JAPAN MENSAの会員。近著に『統計学が見つけた野球の真理』(講談社ブルーバックス)『世の中は奇跡であふれている』(WAVE出版)がある。7月22日に横浜ネイキッドロフトでトークイベント「セイバー語リクスナイトinYOKOHAMA」を開催する。
鳥越規央 / Norio Torigoe