マキウラ鋼業、産廃・解体業の新生興業と資本提携。総合リサイクルでシナジー発揮
金属リサイクル業のマキウラ鋼業(本社・姫路市飾磨区、社長・薪浦州平氏)はこのほど、産業廃棄物処理・収集運搬や解体工事業などを手掛ける新生興業(同区)と資本提携した。解体から金属リサイクルおよび産廃処理業までを一貫して対応でき、総合リサイクル事業としてシナジーを発揮していく。 姫路地区でトップクラスの鉄スクラップの取扱量を誇るマキウラ鋼業は本社工場・中島事業所(同区)・鳥取事業所(鳥取市)の3拠点体制。従業員は152人。業界でも先駆けてASR(自動車破砕残渣)の再資源化事業を推進しており、鉄スクラップを中心に各種金属スクラップ、そして廃棄物のリサイクル・再資源化につなげている。 鉄スクラップ事業が相場に大きく左右されることに加え、ここ数年で新規参入企業が増えて競争が激化する中、同社は2020年にASR再資源化によるプラスチックリサイクル事業を開始し、鉄スクラップ事業のリスクヘッジとして安定した収益源を確立した。 その後も景気リスクを回避できるビジネスの確立を模索しており、以前から取引関係にあった新生興業との資本提携に至った。姫路地区大手の産廃・解体業の新生興業は産廃事業を手掛ける本社工場と、アスファルトをリサイクルおよび製造販売する加西工場(兵庫県加西市)の2拠点体制。従業員は95人。 資本提携により、廃棄物処理業に関しては、マキウラ鋼業が車輛や人手不足などでこれまでカバーできなかった案件を新生興業で対応することにより両社の売り上げ増につなげる。解体工事業は両社で連携を強化することにより、解体案件の受注・工事から排出する鉄スクラップ加工や廃棄物処理までをワンストップで手掛けることがより一層可能となる。そして、アスファルト廃材の再生については、マキウラ鋼業では手掛けていないものの同社所有設備と類似する部分があるため、修繕・保全業務の連携により、安定操業による収益の安定化につなげていく方針。薪浦社長は「両社間で、それぞれのノウハウ・設備を融合し、包括的なリサイクル事業を推進して相乗効果を発揮していきたい」と話す。