英メディアも日馬富士スキャンダルを報道「現役続行は無理」「隠蔽も問題」
英国の高級紙、ガーディアン紙も「横綱が暴行を認め、相撲界はまたスキャンダルに見舞われた」との記事を掲載。「歴史ある日本のスポーツがスター力士である日馬富士が飲酒の席で仲間力士へ暴行した行為で揺れている」と一連の事件を伝えた。 記事では、「警察は貴ノ岩(27、貴乃花部屋)の被害届に従って任意での事情聴取を始めた。日馬富士は不名誉な引退に追い込まれるという憶測が出ている」とし「横綱としてあらゆる時も模範的な態度であることを期待される日馬富士の暴行は、テレビのワイドショーの話題を独占し、メディアも大々的に報じている」と、連日、過熱報道されている日本の現象も伝えた。 「土俵外での暴力沙汰は、相撲の権威が失墜した一連のスキャンダルや批判から評判を取り戻し始めた矢先の事件となった」と、近年に起きた大相撲での不祥事にも言及したが、「3人のモンゴル人出身力士を含む4人の横綱が覇権を争う近年の相撲は、今年の6場所でチケットが売り切れるなど、長年続いた人気低迷から世間の心をつかみ始めていた。1月には稀勢の里が日本出身の横綱として約20年ぶりに昇進し、日本の相撲ファンを喜ばせた」と、相撲人気は回復している現状も紹介されている。 また過去の横綱の事件について「自身が持つ気性によって引退に早く追い込まれることのあった横綱は日馬富士が最初ではない。2010年、モンゴル人力士の朝青龍が東京のナイトクラブで男性の鼻にけがを負わせた数週間後に引退を表明している」と、朝青龍の例も出された。 そして、日本相撲協会が日馬富士に対し即座に行動を起こさなかった点も批判。「大相撲がいじめや暴力の根絶で他のスポーツに追い付いていない」と協会の体質を叩いた。 記事の終わりには、菅義偉官房長官が、「力士は土俵の外においても、長い伝統の重みをしっかり受け止めながら、稽古に精進し、心技体を極め、行動することを多くの国民が求めている 」とコメントしたことも紹介されている。