福島・双葉町、震災後初の“大規模花火大会”開催決定! 「被災地の今を知ってもらうため」
東日本大震災の津波と東京電力福島第1原発事故で甚大な被害を受けた福島・双葉町中野地区で、9月28日(土)に、大規模花火大会「双葉花火」が開催される。双葉町で大規模花火大会が行われるのは、震災後初となる。 【写真】大迫力の花火が期待できそうな、プレミアム席も用意! ■震災を風化させないために 今回開催される「双葉花火」は、音楽に合わせて花火打ち上げるミュージックスターマインや、絵本『きぼうのとり』の朗読に合わせた特別な花火など合計約5000発(最大打上号数1尺玉)を、福島県内の花火師たちが協力し、80分程度で打ち上げる花火大会。 被災地の活性化につなげようと、福島煙火(えんか)協会が主催し、出店は町民がメインとなり、裏方として支える。日中はインバウンド観光客向けに、日本の食や文化、伝統を楽しめる企画も実施予定。協会は震災の風評と風化の払拭と、福島の今と魅力を体験できる双葉地方の新たな観光資源として、継続開催を目指す。イベントを通じて地元以外の人たちが震災関連施設などを巡る機会をつくり、浜通り全体の関係人口拡大にもつなげていく。 福島煙火協会会長、有限会社糸井火工の代表取締役でもある糸井秀一氏は、本花火大会のきっかけが、震災10年の追悼花火を伝承館で上げた時のことだったとコメント。 「何もない広い敷地にあるのは伝承館周辺の建物だけでした。花火を上げるには最高な場所だと感じた記憶があります」「震災以降、福島県の浜通りで追悼の花火を上げる機会が多くありました。家族を失った人、故郷を失った人、たくさんの人が追悼の花火を求めてくれました。日本の花火の起源は追悼や慰霊のためだったと知ったのもその時でした」と振り返る。 加えて、震災から長い期間が経ち、復興へ歩みは確実に進んでいるものの、福島県の震災の象徴のような東日本大震災・原子力災害伝承館の立地する双葉町の町民の数は未だ100人程度に留まっていることも指摘。 「被災地の今を知ってもらうため、震災を風化させないためには、まずはこの地域に訪れてもらうことが大事です」「花火はたくさんの人を集めることができます。復興記念公園の開園を来年に控え、復興のラストランナーと呼ばれるこの地域で、福島県の花火師たちがひとつになり、夜空を作りたいと思いました。地元の人、地元以外の人、そういう枠を取り除き、みんなで空を見上げたい。双葉で想いがひとつになることを願っています」と本花火大会への思いを語った。 「双葉花火」は、花火大会でたびたび問題視される観覧場所の確保、トイレ、混雑等の問題の解決を目指し、全席有料席で実施。1人4500円の自由席や、伝承館の屋上から眺められる2人ペア2万4000円のプレミアム席などを用意しており、アソビュー!、チケットぴあ、FIREWORKS STOREでチケットが販売中だ(価格は税込)。 会場内にトイレ設備も整え、あらかじめ席を確保することで、混雑を避けながら快適な花火観覧環境を提供。また双葉町の町民グラウンド、浪江町の請戸漁港に無料駐車場を設け、シャトルバスを運行する。 【「双葉花火」概要】 日程:9月28日(土)