斎藤工 児童養護施設に通って撮ったドキュメンタリー映画が完成「用事がないのに通うようになりまして…」
俳優の斎藤工(43)が本名「齊藤工」名義で企画・プロデュースした映画「大きな家」(12月6日公開)の試写&記者会見が12日夜、東京・丸の内の日本外国特派員協会で行われた。 【写真】映画のプロデューサーを務めた斎藤工 児童養護施設で生活する子供たちの心の内に迫ったドキュメンタリー。斎藤が数年前、イベントのいちスタッフとしてその施設を訪れたのが、映画製作のキッカケだ。 「1日でそのイベントは終わり、帰る時に施設の少年から『今度ピアノ聴かせてあげるよ』と僕に投げ掛けがあったんですけど、それに対して僕は『今度』を想定してなかったので、正直な表情しちゃったことに対して、その少年が少し悲しげな目をしたことが印象的でした。それが気になって、僕は用事がないのにその施設に通うようになりまして…」 子供たちと当たり前の時間を過ごせるようになり、斎藤は「こういった日本における養護施設の当たり前の日常というものに、踏み込まずに知った気でいるなという自分」に気付いたという。旧知の仲の竹林亮監督に声を掛け、製作がスタート。 さまざまな事情を抱え施設で暮らす未成年が撮影対象ということで、外国人記者らからは撮影許諾の問題や、また「危険性あるということでカメラを向けなかったとか、編集でカットしなきゃならなかった部分あったのか」などの質問が飛んだ。 竹林監督は「気を配りながら撮影は行いました」と振り返り、斉藤は施設職員のこんな意見を明かした。 「いつも会報誌だったり、いろんな世の中に出るものの自分の写真に目隠しがあったり、ボカシがあるっていうことに対して、〝自分はそういう存在なんだ〟と思う、思ってしまう子供もいる。もちろん情報をプロテクトして、子供たちを守るという行為なんですけど、その彼らの顔と言葉と心を映すっていう、本音を映すっていうことを1つ、してあげたいというような職員の方たちの声もありました」 出演している子供たちに配慮し、同作はYouTubeやSNSなどでの配信も、テレビでの放映もなく、劇場公開のみ。 斎藤は「映画が完成して終わりじゃなくて、製作した僕らが責任をもって映画館というシェルターを守り、お客さんにもシェルターの一部になってもらい守り続けていく、という意味合いでつくり上げた映画であります」と言葉に力を込めていた。
東スポWEB