下北沢が“福島県浪江町”に!?「住みたい田舎」1位の町を体験するイベントが開催
「きょうシモキタは福島よりも福島だ。」こう銘打ったイベント「浪江ミート&イート!」が、11月10日、東京・下北沢で開催された。下北沢は古着屋や小劇場が立ち並ぶいわずと知れたサブカルチャーの街。その日、会場には相馬盆踊りの音色が響き、なみえ焼きそばのソースの香りが漂い、地元の特産品が一堂に会する光景が広がった。東京の一角が、まさに「福島県浪江町」そのものとなった。 【動画】あーりんも驚き!浪江町でチャレンジする起業家がリアルを語る
浪江町は、福島県浜通り地域のほぼ中央に位置し、太平洋と阿武隈山系に囲まれた自然豊かな町である。東日本大震災と原発事故による全町避難で一度は人がいなくなった町には新たな希望が芽生えている。最近では、移住者が増え、農業や新しい産業で盛り上がり、住みたい田舎ベストランキング」では1位を獲得。 ※「2024年版第12回住みたい田舎ベストランキング」「人口1万人未満の町」2部門(「田舎暮らしの本」宝島社・2024年2月号)
下北沢で浪江を感じる!「浪江ミート&イート!」
会場のマルシェには、浪江町から地元の食材や加工品、伝統工芸品など、地元の魅力が詰まった逸品を持ち寄った。今年の新嘗祭で献上米に選ばれた浪江町産米「天のつぶ」をはじめとした浪江町の農作物や、全国から注目を集める酒蔵「haccoba」の飲み比べセットに、世田谷の菓子店「スイカシャック」がこの日限りで浪江町の食材とコラボしたスイーツの販売など、思わず立ち止まりたくなる出店が並んでいる。
また、会場の一角では浪江町の工芸品・大堀相馬焼の伝統を受け継ぎながら新たな挑戦を続ける窯元・「陶徳窯」、「陶吉郎窯」の作品が展示・販売された。高いデザイン性と機能性は、来場者の目を引いた。
会場には、震災で避難を経験した浪江町にゆかりのある人々、福島にルーツを持つ人々はもちろん、たまたま通りかかった若者や外国人観光客など、下北沢らしい多様な来場者が集まった。通りかかりで立ち寄ったという二人組の来場者は、「浪江焼きそば」を初めて味わい、「まさか下北沢で食べられるとは思わなかった。食べてみたかったからうれしい」と喜びの声を上げた。その一人は東日本大震災のボランティア経験があり、「福島という文字を見かけるとつい立ち寄ってしまうんです」と話した。