【漫画】着ぐるみの"中の人”問題は想像以上にシビアだった…食い下がる子供とのバトルに「わざわざ言っちゃ駄目」「好きすぎてたまらんです」の声
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、WEBマンガ誌「comic POOL」にて連載中で、TVアニメ化もされている人気作品『うらみちお兄さん』(一迅社)から、「着ぐるみVSこども」というエピソードをピックアップ。 【漫画】「子供の夢を守るため…」着ぐるみマスコット達の使命感の強さに、「ドツボすぎます」「めっちゃ笑う」と反響多数 作者の久世岳さんが8月3日にX(旧Twitter)で同作を投稿。そのツイートには7.5万以上のいいねと共に、多くの反響コメントが寄せられた。この記事では、久世岳さんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。 ■子供の夢を守るためにとった意外な行動とは… 「中に人間が入ってるんだろ――」 表田裏道とともに教育番組のキャラクターの中身を担当している熊谷はある日、着ぐるみの中に人間が入っているのではと少年に指摘された。 「カズヤ君?どうしたのかな?ウサオ君とクマオ君は森から来た動物だよ☆」 裏道が持ち前の爽やかスマイルで何とかごまかそうとするも、父親の言葉を信じ切っているカズヤは「どんな奴が入ってんのか見せてみろ。どうせ変なおじさんだろ」と食い下がる。 いつもならこうした場面でうまく子供をあしらう熊谷も、考え込んでいるのか言葉が出てこなかった。 収録の休憩中、出演者たちが心配して熊谷に声をかけると、「今一度、俺達はマスコットとしての意識を高めるべき時期なんだと思います」と急に真顔で話し出す。実は熊谷には、若き頃の忘れられない記憶があったのだった――。 子供の夢を守りたいという熊谷に対し、気持ちが大事だとアドバイスをする裏道。そして再び、クマの着ぐるみ姿でカズヤにせまられた熊谷は、「カズヤ君、クマオ君、今すっごくお腹が空いているんだクマ」と話しかける。 「でもカズヤ君は大事なお友達だから食べないクマ。代わりにカズヤ君のパパを食べるクマ。クマだから」――この言葉に顔面蒼白となったカズヤは、「ごめんなさい…だからパパを食べないで」と手のひらを翻したのだった。 実際に作品を読んだ読者からは、「もう本当に私のドツボすぎます」「この話、好きすぎてたまらんです」「この子供は正しい。でもわざわざ言っちゃうのは駄目」「最後まで読むとめっちゃ笑う」といった反響が多数寄せられていた。 ■「トラウマを植え付けたり傷つけることは絶対にない」作者が語る創作の背景 ――「うらみちお兄さん」を創作したきっかけや理由があればお教えください。 当時まだ漫画の仕事をし始めて2年ほどだったのですが、何をするにも生きていく上で理不尽や耐えるしかないことというのは付きまとってくるものなのだなと痛感する出来事が多かった時期でした。 行き場のない怒りからメンタルが崩壊して物理的に暴れそうになったのでそのエネルギーを全て紙に吸わせるようにして生まれたのが『うらみちお兄さん』です。 ――今回、投稿された「着ぐるみVSこども」のエピソードを描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。 今回の話に限ったことではないのですが、実際にある教育番組というベースをお借りして作品づくりをさせていただいている中で自分の中で絶対に守るべきとしているのが、キャラクターが根本で子供を大切にしているということです。 ギャグ漫画なのでぶっ飛んだ設定や展開で本来現実世界ではありえないことが多々起きる世界ではありつつも、疲れて歪んだ 癖の多い大人のキャラクターの言動を目の当たりにした子供たちがドン引きする描写はあれど、心に残るトラウマを植え付けたり傷つけることは絶対にない、ということだけは守らねばと常に意識しております。 ――「着ぐるみVSこども」の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。 強いて言うなら、カズヤ君のお母さんに若干の含みを感じていただけるといいなあと思いながら描きました。 あまり作品のネタ詳細について語るのは好きではないので細かいところについてはご想像にお任せいたします。 ――"裏表がある体操のお兄さん"というキャラクター設定は、どのようなところから着想を得ているのでしょうか。また、久世さんご自身も、幼少期に作中の子供たちのような経験がおありですか。 教育番組に関して、幼少期の情操教育を大きく育んでいただいたのでとても感謝しており歴代関係者のすべての皆様を大変尊敬しております。大好きです。 ですので、この漫画に登場する子供たちのように変な大人に困惑させられるような経験はもちろんしてきておりません。 体操のお兄さんというと、舞台設定として使わせていただいているためによく誤解される部分ではあるのですが、裏道のキャラ自体は冒頭でお答えしたように私の社会への鬱憤や仕事に関する理不尽さへの憂さ晴らしをきっかけに発生したものですので、舞台設定等とは一切関係がありません。 ――今後の展望や目標をお教えください。 ギャグ漫画で大きな展開や人間関係の変化があまり無いタイプの作品なので、楽しみにお読みくださる方がいらっしゃる以上は許される限り続けていきたいなと思っております。 ――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。 今後とも皆様の乾いた一笑いをとることに全力を注ぎ、それだけを生きがいに頑張っていきますので、どうぞ厳しくシビアに応援のほどよろしくお願いいたします。
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