いつになったら年金を払うんだよ!年金事務所で騒ぎ立てる「65歳のおひとり様男性」がぎゃふん。冷静な職員の対応に意気消沈の理由
騒ぎ立てる高齢男性を黙らせた「年金事務所担当者のひと言」
男性の大クレームに対し、周囲は冷ややかな反応。そんななか、年金事務所の担当者が冷静に切り返します。 ――お客様、年金の請求はお済みでしょうか? ――請求⁉ なんのことだ? ――年金の請求がお済みでないなら、年金を受け取ることはできません。年金のご請求について、ご案内しますね 担当者の冷静な対応に、我に返った男性。「どうも自分は、勘違いをしているらしい……」と気づいたのでしょうか、すっかり意気消沈。恥ずかしそうな顔をしながら、担当者の説明を聞いていたといいます。 この男性に限らず、年金の受け取りは原則65歳から、ということは理解していても、「年金は自動的にもらえるもの」と勘違いしている人は意外に多いようです。 老齢年金は特別支給の老齢厚生年金含め、年金を受け取れる年齢になったら「受給(支給)できる権利」が発生します。その権利を行使=年金を請求しないことには、年金はいつまで経っても受け取ることができません。権利が発生する3ヵ月前に日本年金機構から案内が来るはずなので、権利を行使=年金の受け取り開始を希望するなら、案内にそって手続きを進めていけば年金を受け取れるようになります。 考えてみれば、至極当たり前のことではありますが「65歳になったら年金は(自動的に)もらえる」と勘違いしている人は、意外にも多いのです。老齢年金の場合、受給権が発生する3ヵ月前に年金を受け取るために必要な年金請求書が日本年金機構から送られてきます。それらの手続きが完了すれば、受給権が発生した月の翌月分から受け取ることができます。年金は原則、偶数月の15日に、前月と前々月、2ヵ月分の年金が振り込まれます。もし15日が土日祝日であれば、その直前が待ちに待った年金振込日になります。 またこの男性のように、年金事務所で大声をクレームをつける人も意外と多いよう。インターワイヤード株式会社が公共サービス従事者に対して行った『カスタマーハラスメント(公共サービス業版)』によると、公共サービス業ではカスハラ被害者(過去1年以内に職場内でカスタマーハラスメントを受けた経験のある人)は33.5%。全業種29.3%よりもやや多い傾向があります。また公共サービスのなかでは、「医療・介護・福祉」「役所勤務」が多く、そ内容として最も多いのが「大声での恫喝や暴言を吐かれる」で17.5%。「長時間にわたる拘束・居座りや、電話を切ってもらえない」で13.5%、「当初のクレームと関係ない対応者のミスを執拗に責める、揚げ足取り」13.2%と続きます。 複雑怪奇な公的年金制度。それでありながら、老後の生活においては絶対的に必要なものなので、わからないことがあったり不平・不満があったりすると、ついつい攻撃的になってしまいがち。まずは最低限の知識はしっかりと学んでいきたいものです。 [参考資料] 内閣府『生活設計と年金に関する世論調査(令和5年11月調査)』 インターワイヤード株式会社『カスタマーハラスメント(公共サービス業版)』